太陽系に新たな惑星「プラネットY」の可能性が浮上！これが本当の“第9惑星”か

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　太陽系の果てに、まだ見ぬ惑星が隠されているかもしれない――。このロマンあふれる探求は、100年以上にわたって天文学者たちを魅了してきた。近年、地球の5〜10倍の質量を持つとされる「プラネット・ナイン」の存在が注目を集めてきたが、今、全く新しい候補として「プラネットY」の可能性が浮上している。

　この惑星はまだ発見されたわけではない。しかし、海王星の外側に広がる氷の天体群「カイパーベルト」の奇妙な軌道の歪みが、その存在を強く示唆しているのだ。

カイパーベルトの「歪み」が示すもの

　プリンストン大学の天体物理学者、アミール・シラージ氏らの研究チームは、カイパーベルトに属する天体の軌道が、太陽系の他の惑星が描く軌道面（公転面）に対して、約15度も傾いていることを発見した。まるでレコード盤が途中で歪んでいるかのように、太陽系の「卓上」が傾いているのだ。

　研究チームがコンピューターシミュレーションでこの歪みの原因を探ったところ、太陽系の成り立ちや、近くを通過した恒星の影響だけでは説明がつかないことが判明。唯一、この現象を合理的に説明できるのが、「未知の惑星」の存在だった。

　シラージ氏は、「この論文は惑星の発見ではない。しかし、惑星こそが最も有力な答えとなる“謎”を発見したことは確かだ」と語る。

「プラネットY」の正体とは？

　シミュレーションによれば、プラネットYは地球よりも小さく、水星よりは大きい岩石惑星である可能性が高い。その軌道は、太陽と地球の距離の約100〜200倍も離れた、太陽系の深淵にあると推定されている。

　これまで提唱されてきた「プラネット・ナイン」は、地球の何倍もの質量を持つ巨大な惑星で、さらに遠い軌道を公転していると考えられてきた。プラネットYは、それとは異なる、より小さく、より太陽に近い惑星ということになる。シラージ氏は、「プラネット・ナインとプラネットYは、両方とも存在する可能性も否定できない」と述べている。

100年にわたる探求の歴史

　未知の惑星探しの歴史は、1846年の海王星発見にまで遡る。その後、天王星や海王星の軌道のわずかなズレから、さらに外側に惑星が存在するのではないかという「惑星X」仮説が生まれた。1930年に冥王星が発見された当初は、これが惑星Xだと考えられたが、後の観測で冥王星はあまりにも小さすぎることが判明。惑星探しの夢は一度、潰えたかに見えた。

　しかし2005年、冥王星よりも大きな準惑星「エリス」が発見されたことで、状況は一変する。カイパーベルトには、我々の知らない天体がまだまだ隠されていることが明らかになり、第9惑星探しの議論が再燃。これが、近年の「プラネット・ナイン」や「プラネットY」といった仮説につながっている。

決着の時は近い―新型望遠鏡が謎を解く

　なぜ今、新たな惑星の可能性が次々と浮上しているのか。それは、観測技術の飛躍的な進歩によるものだ。

　南米チリの山頂に建設された「ヴェラ・C・ルービン天文台」は、世界最大のデジタルカメラを搭載し、3日ごとに全天を撮影するという、前代未聞の宇宙観測プロジェクトを始動させようとしている。

　この天文台が本格稼働すれば、これまで暗闇に閉ざされていたカイパーベルトの姿が、驚異的な解像度で明らかになる。「まるで宇宙の映画を見ているかのように、3日ごとのコマ送りで太陽系を観測できる」とシラージ氏は期待を寄せる。

　専門家たちも、この新型望遠鏡が第9惑星論争に終止符を打つと確信している。「今後数年で、カイパーベルトの構造が前例のない明瞭さで明らかになるだろう」と、プラネット・ナイン仮説の提唱者の一人であるコンスタンティン・バティギン氏も語る。

　もしプラネットYが本当に存在するなら、この望遠鏡は2〜3年のうちにその姿を直接捉えることができるはずだ。100年以上にわたる天文学者たちの夢が、ついに現実のものとなる日が、すぐそこまで来ているのかもしれない。

参考：CNN、ほか

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