“AIロボコップ”が「ながらスマホ」を撲滅 ― 英国で導入された監視カメラが交通違反を劇的に減少させる

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 運転中のスマートフォン操作、通称「ながらスマホ」。その危険性は誰もが知るところだが、後を絶たないのが現実だ。しかし、英国で導入された最新のAI搭載監視カメラ、通称「AIロボコップ」が、この危険な違反行為を劇的に減少させ、大きな成果を上げている。それは、人間の警察官では不可能だった、全車両を“透視”する驚異の監視システムだ。

車内を“透視”する、AIの目

 この「AIロボコップ」は、オーストラリアの企業Acusensus社によって開発された移動式の監視システムだ。クレーンに取り付けられた2台の赤外線カメラが、通過するすべての車両の内部をスキャン。AIが、ドライバーがスマートフォンを操作していないか、あるいはシートベルトを着用しているかを瞬時に判定する。

 もし違反の疑いがなければ、撮影された画像は即座に、そして永久に削除される。しかし、AIが「違反の可能性あり」と判断した場合、その画像は人間の目による確認へと送られる。この際、ナンバープレートや車種といった個人が特定できる情報はマスキングされ、プライバシーにも配慮されている。そして、AIと人間の両方が違反であると結論づけた場合のみ、完全な画像が警察へと送付される仕組みだ。

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違反件数が80%以上減少―驚くべき導入効果

 この「AIロボコップ」の効果は、絶大だ。

 英国のデヴォン州とコーンウォール州警察では、このシステムを試験導入した結果、シートベルト非着用の検挙数が、1日平均83件(2023年)から、わずか14件へと激減。ながらスマホの検挙数も、1日平均50件から10件へと、80%も減少したという。マンチェスターでの試験導入では、わずか5週間で3000件以上の違反が摘発された。

「同僚たちは、シートベルトさえしていれば助かったであろう交通死亡事故を、あまりにも多く見てきました。だから、この結果を心から喜んでいます」と、デヴォン・アンド・コーンウォール警察の交通安全責任者、エイドリアン・レイスク氏は語る。「数人の警官が路上で違反切符を切るだけでは、人々の行動は変わらない。だからこそ我々はこの技術を試すことにしたのです」

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悲劇から生まれたテクノロジー

 この革新的な技術は、一人の技術者の悲しい経験から生まれた。Acusensus社の共同設立者であるアレクサンダー・ヤニンク氏は、友人がながらスマホ運転の車にはねられて亡くなったことをきっかけに、このシステムの開発を決意したという。

「時速70マイル(約112km)で走りながら、他人がスマホをいじっているのを見るのは、誰だっていやなものです」。同社の英国マネージャー、ジェフ・コリンズ氏が語るように、このシステムは一般市民からも好意的に受け入れられているという。

 現在、英国の19の地域で試験導入が進む「AIロボコップ」。プライバシーへの懸念という課題は残るものの、多くの命を救う可能性を秘めたこの技術が、今後の交通安全のあり方を大きく変えていくことは間違いないだろう。

参考:Daily Star、ほか

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