世界最大の巨岩「ジャイアントロック」に隠された狂気の歴史… UFO空港と未完のタイムマシン

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ジャイアント・ロック By Tomwhite56 at en.wikipedia – Own work (Original text: I created this work entirely by myself.)Transferred from en.wikipedia to Commons by Ronhjones., Public Domain, Link

 砂漠地帯の謎の巨岩にはそれに相応しい波乱万丈のストーリーがあった――。金星と関係があるといわれている「ジャイアントロック」の数奇な物語とは。

■砂漠の巨岩が辿った数奇の物語

 米カリフォルニア州ランダーズのすぐ郊外に、世界最大の自立型巨岩と言われるジャイアントロック(Giant Rock)がずっしりと腰を下ろしている。面積5800平方メートルのこの巨岩の付近は長い間、ネイティブアメリカンの聖なる集いの場であったが、1930年代からはかなり奇妙なことが起こりはじめた。

 7階建ての建物に匹敵するこの巨大な花崗岩は巨大地震によってもぎ取られ、隣の岩場から転落して砂漠に転がり込んだと考えられている。

 1931年まで、この岩は比較的無名のままであったが、先見の明を持つ風変わりな探鉱者、フランク・クリッツァーの目に留まったことで紆余曲折を辿ることになる。この岩の天然の断熱性に魅了されたクリッツァーは、ダイナマイトを爆破させて岩の下に小さな居住空間を形成した。

 暑さから逃れるために砂の中に潜る砂漠のカメにヒントを得て、クリッツァーが設計した地下住居は驚くほどうまく機能し、灼熱の夏でも室内は涼しく、冬は暖かく過ごせたのだ。このプロジェクトが完了すると、彼は近くの干上がった古代の湖底に簡素な滑走路を整備し「ジャイアントロック空港」を開設した。

 しかし残念ながら、クリッツァーの“砂漠帝国”の設立計画は暗転することになる。クリッツァーが敵国のドイツ系であることや、巨岩に高出力無線アンテナが備えてあること、そして大量のダイナマイトを保有していたことなどから、彼は戦時中の保安警察の標的となった。

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Image by Loren Elkin from Pixabay

 1942年7月、3人の保安官代理が岩山にやって来て、彼の「不審な」行動について尋問した。その時の諍いで、室内に備蓄してあったダイナマイトに引火して大爆発を起こしクリッツァーは命を落とした。

 悲劇を招いたジャイアントロックの物語の次章はさらに奇妙になる。

 1947年、ロズウェル事件をきっかけに地球外生命体への関心が一気に高まっていた同年、この場所は新たな所有者、ジョージ・ヴァン・タッセルに引き継がれた。彼は元航空整備士で、UFOの研究に熱心であった。

 ヴァン・タッセルは、この岩をスピリチュアルな拠点へと変貌させた。彼は毎週、巨岩の下で瞑想会を開き、地球外生命体とテレパシーで交信し、自身の声帯を通して参加者にメッセージを伝えていると主張した。1950年代に入ると、ジャイアントロックはUFO信者たちが集う“聖地”と化していた。

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 ある夜、ヴァン・タッセルは、銀河系からこの場所に研究所を建設するよう指示されたと主張した。「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、彼はソルガンダと呼ばれる700歳の金星人の招きで宇宙船に案内された体験を持つという。

 ソルガンダは地球が金属建材に依存していることが惑星間の「思考転送」を妨げていると警告し、この問題を解決するため、ヴァン・タッセルに重力を停止させ、人間の寿命を延ばし、高速タイムトラベルを可能にする機械の設計図を提供したとされている。

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An artwork titled “What Happens At Giant Rock Doesn’t Stay At Giant Rock” by Jim Weaver (Artist in Residence, Fall 2023). Image credit: Joshua Tree National Park / Flickr (Public Domain).

 ヴァン・タッセルはその装置と施設の構築に着手し、これを「インテグラトロン」と名付けた。

 残念ながら、ヴァン・タッセルはインテグラトロン完成前の1978年に亡くなってしまう。この未完成の建物は今も残っているが、ハイテクな異次元間通信拠点というよりは、木造家屋の瞑想空間といった趣である。

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By Jessie EastlandOwn work, CC BY-SA 4.0, Link

 現在、ジャイアントロックは興味本位で訪れた者によって多くの落書きが残されており、エイリアンの顔、政治スローガン、ペニスの絵、スター・ウォーズ・レジスタンスのロゴ、そして誰かのTwitterアカウントなどが描かれていてかなり残念な感じになっている。

 しかし過去100年間の波乱万丈の来歴を考慮すれば、ジャイアントロックにはこの先にも奇妙なドラマが待っているのかもしれない。

参考:「IFLScience」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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