レーザー走査で密林の下から2万超の幾何学構造が出現! アマゾンに広がっていた未知の文明「アキリ」はなぜ西暦850年頃に消えたのか

レーザー走査で密林の下から2万超の幾何学構造が出現! アマゾンに広がっていた未知の文明「アキリ」はなぜ西暦850年頃に消えたのかの画像1
イメージ画像 Created with AI image generation

アマゾンには、ヨーロッパ人が到達するまでほとんど人が住んでいなかった」——長らく考古学の常識とされてきたこの一文が、いま根底から書き換えられようとしている。

 フィンランド・ヘルシンキ大学の考古学者マルッティ・パルシネン氏を中心とし、ブラジルの複数の大学が参加した研究チームが、科学誌ネイチャーに発表した成果が波紋を広げているのだ。

 樹冠の下から現れたのは、点在する小さな集落などではなかった。四角形、円形、長方形、そして八角形——幾何学的な輪郭を持つ巨大な囲い地が道でつながれ、網の目のように大地へ刻まれていた。

樹冠を透かすレーザーが暴いた、幅13メートルの堀

 発見の主役は、LiDAR(ライダー/光検出と測距)と呼ばれる航空レーザー計測技術だ。

 航空機からレーザーパルスを照射し、木々の隙間を抜けて地表に届いた反射だけを選び出すことで、森林を「デジタル的に剥ぎ取った」地形図を再現できる。人間の目でも衛星画像でも、そこは途切れのない緑の塊にしか見えない。だがLiDARは、約2000年前に掘られた溝の一本一本、積まれた土塁の一つひとつを描き出した。

 舞台はアマゾン南西部、ブラジル・アクレ州とその周辺地域。浮かび上がった堀は、幅が最大で13メートル、深さは5メートルに達する。単発の遺構ではなく、複数の囲い地が道路で結ばれた、まぎれもない記念碑的複合施設だった。

 衝撃的なのは、従来調査との落差だ。衛星画像に頼った先行研究が数十基しか確認できていなかった地域で、レーザー走査は構造物の数を一気に数倍へ押し上げた。研究チームは全体で2万〜3万基が存在すると見積もっている。

 しかも、この技術で精査されたのはアマゾン全体のごく一部にすぎない。数字はまだ増え続ける可能性が高い。

レーザー走査で密林の下から2万超の幾何学構造が出現! アマゾンに広がっていた未知の文明「アキリ」はなぜ西暦850年頃に消えたのかの画像2
画像は「Espacio Misterio」より
レーザー走査で密林の下から2万超の幾何学構造が出現! アマゾンに広がっていた未知の文明「アキリ」はなぜ西暦850年頃に消えたのかの画像3
画像は「Espacio Misterio」より

王も首都もない文明「アキリ」、18万平方キロに最大300万人

 研究チームは、これらを築いた人々を「アキリ文明」と名付けた。

 ただし、統一された王国を指す呼称ではない。首都も単一の支配者も確認されておらず、建築技術を、おそらくは儀礼の暦までも共有した多文化的な共同体のネットワーク。それがアキリ文明の実像だとされている。

 その版図は約18万3000平方キロメートル。本州の面積の8割近くに相当し、従来想定されていた範囲の実に3倍にあたる。西暦100年から300年頃の最盛期には、125万人から300万人が暮らしていたと推定され、密林の下になお埋もれている分を加味した試算では400万人近くに達するという見方もある。

 もっとも、これらの囲い地は常住の都市ではなかったと考えられている。研究者たちは、各地に散らばって暮らす共同体が定期的に集まり、儀式を行い、争いを裁き、集団としての意思決定を下す——そうした儀礼・集会・統治の拠点だったと見ている。数世紀後にアンデスでインカ帝国が採用した統治モデルにも通じる姿だ。

 驚くべきことに、こうした中心地の一部は1500年もの長きにわたって使われ続けていた。

西暦850年、彼らはなぜ大地を去ったのか

 今回の研究がもたらしたもう一つの含意は、構造物の数よりも重い。私たちが「手つかずの自然」と呼んできたアマゾンそのものが、実は人の手で長期間管理されてきた景観だという指摘である。

 トウモロコシ、キャッサバ、カボチャ、ラッカセイといった作物の栽培に加え、ヤシやブラジルナッツの林は意図的に育てられていた。現在の植生の構成や分布にすら、その痕跡をたどることができるという。パルシネン氏は、今回の発見がアマゾン地域の過去に対する理解を一変させるものだとの見解を示している。

 そして最大の謎が残る。1500年続いたこの巨大なネットワークは、西暦850年頃に崩壊した。気候の変動か、疫病か、社会構造そのものの変質か——研究者たちも、その理由をまだ十分には説明できていないという。

 かつてヨーロッパの博物学者たちが「処女林」と書き残したあの緑の海は、消えた人々が1500年かけて整えた庭の、静かな残響だったのかもしれない。

 レーザーが照らし出したのは、2万を超える土の痕跡と、それを残した人々の不在である。「空白」「未踏」といった言葉は、この森にはもう似合わない。残る緑の下から次に何が立ち上がってくるのか、想像せずにはいられない。答えは今も、アマゾンの土の中に眠っている。

参考:Espacio Misterio、ほか

関連キーワード:, ,
TOCANA編集部

TOCANA(トカナ)は、「ホントカナ?」を編集方針に、UFO・UAP、UMA、心霊、予言、超古代文明、都市伝説など世界の「謎」を追うオカルトニュースメディア。2013年の開設から13年、公開記事は2万本以上。
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

レーザー走査で密林の下から2万超の幾何学構造が出現! アマゾンに広がっていた未知の文明「アキリ」はなぜ西暦850年頃に消えたのかのページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

トカナ秘密結社購買部