メキシコで未知の「巨大モノリス(一枚岩)」が出土! マヤ文明初期の遺跡と一致しない特異な石造プラットフォームの謎

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画像は「The Debrief」より

 高さ1.8メートルを超える一枚岩に、器を掲げて「何か」を授かろうとする2人の人物が刻まれていた——。

 メキシコ・ベラクルス州で、これまでに知られたどのマヤ遺跡とも結びつかない、前例のない古代の巨石構造物が発見された。発掘にあたった考古学者は、この石碑を「非常に特異な構造物」と呼び、他の遺跡との相関がいまだ見つからないと語っている。

 西暦200年から600年、マヤ文明が壮大な石造ピラミッドを築き始めた黎明期のものとみられる、謎めいた発見の中身とは。

高さ1.8メートル、類を見ないマヤ初期古典期の巨石

 発見の舞台となったのは、メキシコ湾岸に位置するベラクルス州のコアテペック近郊。マヤ初期の文化的モチーフを備えた、前スペイン期の遺構が姿を現した。

 中心となるのは、高さ1.8メートル強、最も広い部分でも幅1.5メートル弱という巨大なモノリス(一枚岩の石造彫刻)だ。すぐそばには大きな石造プラットフォームも伴っていた。

 制作年代は西暦200年から600年頃、マヤ初期古典期にあたると推定されている。マヤ文明の基礎が築かれた重要な時期であり、象形文字と暦法の体系が広まり、巨大な石造ピラミッドの建設が始まったのもこの頃とされる。

 初期古典期には、政治的な出来事を記録した石碑(ステラ)や祭壇が各地で盛んに作られた。世襲王朝が支配を正統化するために宗教儀礼を利用したと考えられており、記念碑には「マヤ長期暦」を用いた出来事の記録が刻まれていた。今回の発見も、そうした特徴といくつか合致するという。

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画像は「The Debrief」より

器に注がれる「神聖な液体」——刻まれた儀式の場面

 このモノリス最大の見どころは、表面に刻まれた2人の人物像だ。研究者によれば、この図像はこの時代特有の象徴性と結びついている可能性が高いという。

 メキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)の考古学者リノ・エスピノサ・ガルシア氏は、そこに描かれているのは「何かを求めている2人の人物」であり、彼らは「器を手に、何かを受け取っている」ところだと説明している。

 では、器に注がれる「何か」とは何なのか。ガルシア氏は、それが液体であると考えているという。そして、この文脈においてそれは「神聖な液体」——おそらくは水を表しているのではないか、との見解を示した。

 水を神聖なものとして授かる儀式の場面。乾いた石の表面に閉じ込められた、1500年以上前の祈りの一瞬である。灼熱の地で暮らしたマヤの人々にとって、水がいかに切実な意味を持っていたかを想像させる。

「相関する遺跡がない」——謎を深める円形プラットフォーム

 今回の発見をとりわけ特異なものにしているのは、モノリスに付随する構造物の存在だ。

 現場の主任考古学者の一人アルベルト・バスケス氏は、この発見を「非常に特異な構造物」と評した。そのうえで、メキシコ国内の考古学者たちは現時点で「他の遺跡との相関を示す記録をまったく持っていない」と、率直な困惑を口にしている。

 なかでも研究者を悩ませているのが、円形の石造プラットフォームだ。メキシコ各地で見つかっている他の構造物とはほとんど似ておらず、既存のマヤ遺跡の類型に収まらない。

 さらに、石灰岩製の大きなプラットフォームには、四角い線で区切られた連続模様が施されていた。INAHの考古学者らによれば、この模様も近隣の遺跡のものとは異なるという。既知の様式と重なりながら、随所に「はみ出し者」の要素を抱えている——それが今回の遺構の正体だ。

 儀式のための祭壇なのか、それとも未知の信仰体系の痕跡なのか。石に刻まれた2人が神から授かろうとした「神聖な液体」の意味を解き明かす鍵は、まだ発掘されていないベラクルスの土の下に眠っているのかもしれない。

参考:The Debrief、ほか

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