北朝鮮の核実験が眠っていた断層を目覚めさせた? 最後の実験から8年、豊渓里周辺で約1400回の地震を検出

最後の核実験から約8年、爆発は止まったはずなのに、山の下の大地はいまだに揺れ続けている。北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)核実験場がある万塔山(マンタプ山)の周辺で、小さな地震が年を追うごとに増えているのだ。
新たな核実験を疑いたくなるところだが、原因は別にあるかもしれない。6回の地下核爆発が地殻を傷つけ、長く眠っていた古い断層を目覚めさせた可能性を示す研究が、科学誌『Science』に発表された。
検出された地震は1399回、しかも「減らずに増えた」
北朝鮮は2006年から2017年にかけて、この実験場で計6回の地下核実験を行った。最後の実験ではマグニチュード6.3相当の揺れが観測され、爆発規模は100〜250キロトン程度と推定されている。
中国・成都理工大学のシンリー・ファン氏、韓国・釜山大学校のキム・グァンヒ氏らの研究チームは、2008年から2025年までの連続地震記録を解析した。データは実験場から80〜200km離れた中国と韓国の観測点のものだ。
通常の地震カタログでは見落とされる微弱な信号を、波形のパターン照合で掘り起こした結果、周辺で発生した1399回の地震が見つかった。最初の地震は3回目の核実験後の2013年に現れたが、2017年まではまばらだった。
異変が本格化したのは最後の爆発から約3週間後だ。地震活動は収まるどころか、年を追うごとに加速していったという。
100年以上記録のなかった土地に現れた2本の線
これは核実験後の典型的な余震とは違う。1968年に米ネバダ州で行われた地下核実験「ボックスカー」では、その後6週間で数千回の小さな余震が記録されている。一方、万塔山では活動が何年も積み上がり続けた。
さらに不可解なのは場所だ。万塔山はプレート境界から遠く離れた安定した大陸地殻の上にある。主要な地震カタログを見る限り、1904年から2017年の実験まで、半径50km以内で地殻内地震の記録はなかった。
チームが955回の地震の震源を精密に割り出すと、実験場から北北西へ延びる、ほぼ平行な2本の線が浮かび上がった。1本は既知の断層の延長線上に重なり、もう1本はこれまで地図に載っていなかった断層の形をしていた。キム氏は、傾向があまりに明瞭で直線的だったことに強い衝撃を受けたと振り返っている。
大地はいつまで「記憶」するのか
研究チームは、最後の爆発が断層を直接押してずらしたとは考えていない。活動が最も加速したのは時期が遅すぎるうえ、断層の活動は爆心から10〜30km離れた地点で起きていたからだ。
チームが提案するのは、6回の爆発が浅い地殻を少しずつ割り、弱らせたというシナリオだ。その傷んだ岩盤を通じて応力が再配分され、もともとあった断層が徐々に限界へ近づいたとみられる。急峻で左右非対称な山の形が、局所的に数十メガパスカル規模の応力の偏りを生み、一部の断層を最初からずれやすい状態にしていた可能性もあるという。
ただし、観測点が遠いため地震の正確な深さは分かっておらず、現地調査もできていない。研究に関わっていないシカゴ大学の地球物理学者サニョン・パーク氏は、爆発でできた割れ目に水が入り込み、断層を滑りやすくした可能性も指摘しているが、この仕組みは今回検証されていない。
パーク氏によれば、一瞬の撹乱が何年、何十年と影響を残すことがあり、地殻は長い記憶を持つという。
この発見は核実験の監視にも課題を突きつける。旧実験場の近くの揺れが自然の地震か、過去の爆発の遅れた影響か、新たな何かなのか、見分けるのは容易ではない。研究チームは古い実験場の継続監視を訴えている。
人間が一瞬で起こした爆発に、大地は何年もかけて応え続けているのかもしれない。万塔山の揺れがいつ静まるのか、それとも古い断層がまだ別の顔を見せるのか。それを確かめる手立ては、今のところ遠く離れた観測点の記録しかないようだ。
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2024.10.02 20:00心霊北朝鮮の核実験が眠っていた断層を目覚めさせた? 最後の実験から8年、豊渓里周辺で約1400回の地震を検出のページです。北朝鮮、断層、地震、地下核実験などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで


