M7.8の大地震にも「前兆」があった!? AIが見つけた地震前の“臨界状態”移行サインとは

「地震はいつ来るか分からない」——これは地震学において長年の常識とされてきた。
だがAI(人工知能)を使った新たな研究によって、大地震の発生前には見過ごされてきた「前兆パターン」が存在する可能性が浮上している。
ドイツ地球科学研究センター(GFZ)のサデグ・カリンポウリ博士とパトリシア・マルティネス=ガルソン教授らの国際研究チームは、AI自身がデータの中から隠れた規則性を見つけ出す「教師なし機械学習」を用いた分析手法を開発。過去の大地震データを解析したところ、断層が破壊する直前に「臨界状態」へと移行する兆候を捉えることに成功したという。
地震を「点」ではなく「ファミリー」として読み解く新手法
従来の地震予測研究の多くは、あらかじめ定義された「警告パターン」をデータの中から探す手法が主流だった。
しかし今回の研究チームが採用したのは真逆のアプローチだ。地震イベントを個別の点として扱うのではなく、互いに影響し合う「ファミリー」として捉え、データそのものに構造を語らせる手法だという。
具体的には、地震活動の時空間的な密集度、震源の局所化、ひずみの解放パターンといった複数の物理的・統計的特性を同時に分析する。まず室内実験による岩石破壊のデータで手法を検証したうえで、自然界の複雑な断層システムへと適用範囲を広げていった。
トルコ・チリ・イタリアの大地震に共通した「組織化」の兆候
研究チームは過去に発生した5つの大地震を対象に、この手法を検証した。
その結果、2023年のトルコ・カフラマンマラシュ地震(Mw7.8)、2009年のイタリア・ラクイラ地震(Mw6.1)、2014年のチリ・イキケ地震(Mw8.1)の3件で、明確な前兆信号が確認されたという。
カリンポウリ博士によれば、これらの地震では本震の数週間から数ヶ月前にかけて、比較的安定していた地震活動が、より「組織化」された臨界状態へと移行する共通のパターンが観察されたという。断層システムが静かな均衡状態から破壊へと向かう不安定な状態へシフトしていく過程が、データの中に刻まれていた形だ。

能登地震では検出されず——予知にはまだ大きな壁がある
一方で、この手法がすべての地震に通用するわけではないことも同時に明らかになった。
2024年の日本・能登半島地震、そして2016年のイタリア・アマトリチェ地震では、同様の前兆信号は検出されなかったという。
マルティネス=ガルソン教授は、一部の断層は目立った警告サインを示さないまま破壊に至る可能性があると指摘。これこそが地震予測研究における最大の課題だと述べている。
研究チームは現在、過去データの事後分析にとどまらず、新たに発生した地震活動をリアルタイムで監視する実証実験にも着手している。ある地域の背景的な地震活動パターンから逸脱する瞬間を追跡することで、断層が別の臨界状態へと移行しつつある兆しを事前に捉えられるかどうかが、今後の焦点となる。
この成果は2026年5月4日、科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』に掲載された。研究はERC(欧州研究会議)のスターティング・グラント「QUAKEHUNTER」の支援を受けている。
地震予知という人類長年の夢に、AIはどこまで迫れるのか。すべての断層に「声なきサイン」が刻まれているとは限らない以上、次に問われるのは、リアルタイム監視がどこまでその兆候を拾い上げられるかという一点に尽きるのかもしれない。
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2024.10.02 20:00心霊M7.8の大地震にも「前兆」があった!? AIが見つけた地震前の“臨界状態”移行サインとはのページです。前兆、地震、AIなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

