この1年、サイバー空間で想定外の被害が相次ぐ…?ビル・ゲイツが警告、AIの本当の脅威は暴走より悪用する人間か

この1年、サイバー空間で想定外の被害が相次ぐ…?ビル・ゲイツが警告、AIの本当の脅威は暴走より悪用する人間かの画像1
イメージ画像 Created with AI image generation

 AIが人類に牙をむく日は来るのか。SF映画さながらの問いに、パソコン革命の立役者が意外な答えを示した。

 マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏は、AIを人類がこれまでに生み出した中で最も危険な技術だと位置づけた。そのうえで、差し迫った脅威はAIの暴走ではなく、悪意ある人間による悪用だと警告している。今後1年ほどの間に、とりわけサイバー分野で想定外の悪い事態が相次ぐ恐れがあるというのだ。

「安全装置を外したAI」が悪人の手に渡るとき

 ゲイツ氏がこの見解を示したのは、米CNNのキャスター、ジェイク・タッパー氏によるインタビューでのことだ。

 同氏によれば、AIが制御不能に陥る問題には取り組む必要があるものの、それが大きな影響を及ぼすのはまだ何年も先の話だという。むしろ今危ういのは、悪意を持つ人間がAIを使うこと。特に安全対策をすべて取り除いたAIが、最新モデルの性能と組み合わさる状況を最も警戒している。

 具体的に想定されるのは、AIを使ったサイバー攻撃で個人や企業、さらには政府までを人質に取り、多額の金銭や便宜を要求する手口だ。AIで株式市場に混乱を引き起こし、事前に仕掛けておいた取引で利益を得るといったシナリオも挙げられている。

 かつてこうした攻撃には、コンピューターや金融に関する相当な専門知識が必要だった。だがAIの登場で、技術も資金も乏しい犯罪者が大規模な攻撃を仕掛けるハードルは大きく下がったと指摘されている。

この1年、サイバー空間で想定外の被害が相次ぐ…?ビル・ゲイツが警告、AIの本当の脅威は暴走より悪用する人間かの画像2
By © European Union, 2026, CC BY 4.0, Link

生物テロは自然のパンデミックの「50倍」恐ろしい?

 ゲイツ氏が抱くもう一つの大きな懸念が、生物兵器と人為的な感染症の流行だ。

 同氏は2026年8月に発表したエッセイで、AIが病原体の操作や新型生物兵器の開発に悪用される危険を詳しく論じている。AIは医薬品やワクチンの開発で命を救う進歩をもたらす一方、致死的な新しい病気の設計も容易にしてしまう。有益な能力と危険な能力を切り離すのは難しく、これは世界全体で向き合うべき問題だという主張だ。

 さらに米MITテクノロジーレビューのインタビューでは、生物テロの脅威について、自然発生的なパンデミックのリスクと比べて50倍ほど恐ろしく、起こる可能性も高いとの見方を示した。

2017年に語られていた「次のパンデミック」

 もっとも、ゲイツ氏がこうした警鐘を鳴らすのは今回が初めてではない。AIがまだ今とは比べものにならないほど未熟だった2017年、同氏はミュンヘンで開かれた安全保障関連の会議で、技術を悪用した生物兵器がいずれ数千万人の命を奪いかねないと語っていた。

 同じ講演では、遺伝子工学を使って天然痘ウイルスの合成版や、感染力と致死性の高いインフルエンザを生み出そうとするテロリストのパソコン画面から、次の流行が始まる可能性にも言及した。自然発生であれテロであれ、呼吸器を通じて広がる病原体は1年足らずで3000万人以上を死に至らしめる恐れがあり、それは今後数年のうちに十分起こり得るとの予測だった。

 新型コロナウイルスが世界を襲ったのは、そのほぼ3年後のことだ。

 もちろん、ゲイツ氏の発言は疫学モデルに基づく警告であって、未来を見通す予言ではない。それでも、かつての言葉が現実と重なった人物が、今度は「AIを手にした人間」を名指しで警戒している。幽霊より生きた人間のほうが怖いとはよく言ったものだが、その人間が最強の道具を手にした今、私たちはまだ見ぬ「想定外」の入り口に立っているのかもしれない。

参考:IFLScience、ほか

関連キーワード:,
TOCANA編集部

TOCANA(トカナ)は、「ホントカナ?」を編集方針に、UFO・UAP、UMA、心霊、予言、超古代文明、都市伝説など世界の「謎」を追うオカルトニュースメディア。2013年の開設から13年、公開記事は2万本以上。
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

この1年、サイバー空間で想定外の被害が相次ぐ…?ビル・ゲイツが警告、AIの本当の脅威は暴走より悪用する人間かのページです。、などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

トカナ秘密結社購買部

科学最新記事

洞窟で500日、孤独生活の副作用

人体・健康