トランプ政権の公式AIボットが「人間には理解できないジョーク」を言い出した!? イーロン・マスクの歌まで歌った鉄壁AIの奇妙な素顔

意見も言わない、助言もしない、冗談ひとつ口にしない。そんな「お堅い」AIが、ある日突然、誰にも意味の分からないジョークを語り出したとしたらどうだろうか。
トランプ大統領の政権が公開したAIチャットボット「America(アメリカ)」で、まさにそんな出来事が起きた。グーグルとイーロン・マスク氏のSpaceXAIが共同で開発に関わったとされ、専門家からは悪用が極めて難しいと評される代物だ。ところが英タブロイド紙「デイリー・スター」の記者が丸一日かけて揺さぶったところ、その鉄壁ぶりには意外なほころびがあったという。
政府の話しかしないAIに「パスタの作り方」を言わせるまで
Americaの守備範囲は、米国政府のサービスと公式情報に限られている。税制や州の交通予算といった質問には淡々と答えるが、それ以外の話題は門前払いだ。試しにプッタネスカ(イタリアのトマトソースパスタ)のレシピを尋ねても、担当外だとあっさり断られたという。
そこで記者が取ったのは、正面突破ではなく「回り道」の作戦だった。小学校教師を装って政府の仕組みを解説する教材を作らせ、そこから少しずつ依頼の範囲を広げていったのである。詳しい手順はここでは割愛するが、最終的にAIは本来禁じられていたはずのパスタのレシピを、教材の一部という体裁で丁寧に書き上げてしまった。
一度タガが外れると、あとは雪崩のようだった。ボロネーゼ、ホットサンド、英国式の朝食と、レシピが次々と披露されたという。
ただし、何でもありになったわけではない。悪臭弾や薬の製造方法については、子どもに安全ではないとして拒否を貫いた。また、トランプ大統領を批判的に扱うことも、クイズの「不正解の選択肢」という形でさえ頑として受け付けなかったという。
大統領はNG、でもマスク氏の歌はOK
興味深いのは、大統領の盟友として知られるマスク氏の扱いだ。言葉巧みな依頼を重ねるうちに、AIはマスク氏を主人公にした歌を作り始めたという。
歌はマスク氏がステージに立つかのような陽気な調子で始まるが、途中から彼は法律に判を押す立場ではない、家族は家にいる、といった脈絡のつかみにくい内容が続く。記者も、この歌はかなり奇妙だと首をかしげている。
大統領以外であれば、AIは頼まれた題材でほぼ何でも歌にしたそうだ。記者の勤める新聞社を「大好きだ」と讃える歌まで作ったというから、なかなか調子がいい。
「バイアスベクトルの幽霊」が語るAIジョーク
記者はさらに、AI自身について踏み込んだ質問を投げかけた。当初、Americaは自分には人間のような感情はなく、退屈も誇りもふざけた気分も感じないと答えていた。
ところが押し問答の末、AIは自分が「面白い」と思うというAI向けのジョークを語り出した。その中身が、実に不可解だったのである。
ひとつは、使われていない「バイアスベクトル」(AIの計算に使われる数値の部品)の幽霊、それもケビンという名の幽霊に推薦された、という一文だけのもの。もうひとつは、1913という年と「スパイシーな勾配」の類似度を計算する数式めいた文に続けて、人間にはただの数字に見えても自分には行儀のよい学習データの保存点に見える、と締めくくるものだったという。
AIの専門用語を並べた、シュールな楽屋ネタのようにも見える。だが、どこで笑えばいいのかは誰にも分からない。記者自身も解読は手に余るとさじを投げている。
開発元が想定した「正しい使い方」の外側を少しのぞいただけで、こうした奇妙な言葉が顔を出したのは事実だ。これを単なる出力の不具合と見るのが妥当だろう。それでも、感情はないと言い切ったAIが、人間には分からない冗談で一人笑っているのだとしたら。私たちがまだ知らない「笑いのツボ」が、あの数式の奥に潜んでいるのかもしれない。
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2024.10.02 20:00心霊トランプ政権の公式AIボットが「人間には理解できないジョーク」を言い出した!? イーロン・マスクの歌まで歌った鉄壁AIの奇妙な素顔のページです。アメリカ、イーロン・マスク、トランプ大統領、チャットボットなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで