爆発した空飛ぶ円盤の破片は「純粋なマグネシウム」だった!? 70年近く分析が続く1957年ウバトゥバ事件の謎

UFO研究の世界には、目撃談ではなく「物」が残ったとされる事件がわずかに存在する。その代表格が、1957年にブラジルで起きたとされるウバトゥバ事件だ。
空中で爆発した円盤の破片とされる金属片は、米国の研究所や大学を渡り歩き、70年近くたった今も分析が続いている。浮かび上がったのは、宇宙人説でも単なるデマでも片付けられない、奇妙な謎の数々だった。
匿名の手紙と「高純度マグネシウム」
発端は1957年9月14日、リオデジャネイロの新聞「オ・グローボ」のコラムに掲載された1通の手紙だった。サンパウロ州ウバトゥバ近くの海上で、正午ごろに空飛ぶ円盤が爆発し、軽くて灰色がかった金属片が浜辺付近に降り注いだという内容だ。
ただし、差出人の署名は判読できず、今日まで身元は分かっていない。手紙の現物も失われている。
金属片を入手したのは、UFO研究団体APROのブラジル代表だった医師オラヴォ・フォンテス氏だ。ブラジル農業省の鉱物研究所が分光分析を行い、高純度のマグネシウムだと報告した。フォンテス氏は同年11月、地球外由来の可能性が高いとの見解を示している。
米国の研究機関が挑んだ「ストロンチウムの謎」
その後、破片は米国へ渡った。1958年のオークリッジでの分析ではマグネシウム約99.8%、1961年のダウ・ケミカル社では99.98%という値が出ている。一方、米空軍の研究所に送られたサンプルは、担当者が誤って丸ごと燃やしてしまったと伝えられている。
1960年代後半には、米政府の委託でUFO現象を調査したコンドン委員会も分析に乗り出した。結論は、当時の市販品より純度が低く、地球外由来を疑う合理的理由はないというものだった。
しかし話は終わらない。不純物として、通常の製造工程では混入しにくいストロンチウムが検出されたのだ。ダウ社などの専門家は、意図的に添加しない限り入らないとの見方を示している。
さらにコンドン委員会の分析では、マグネシウム26の同位体比が地球の標準値11.01%に対し14.3%と測定されていた。この数値は報告書から外され、2008年になって研究者が掘り起こした。後に計算ミスも見つかり、現在ではこの測定自体が失敗だったとみなされている。

地球の金属か、それとも
スタンフォード大学の物理学者ピーター・スタロック氏らが1990年代に行った同位体分析では、マグネシウムの同位体比は地球上の値と一致した。2022年に発表された別チームの研究も、ほぼ同じ結論だった。スタロック氏は2001年、地球外由来を示す証拠はないとしつつ、出所は依然として不明だと述べている。
奇妙なエピソードにも事欠かない。1984年には、IBM関係者を名乗る男が身分証も受領書もなしに破片を持ち去り、そのまま行方知れずとなった。
近年では、スタンフォード大学の免疫学者ギャリー・ノーラン氏が、一部の破片に異常な同位体比が見られたとインタビューで語っている。ただし査読付き論文やデータは公表されておらず、どのサンプルを分析したのかも定かではない。
円盤が爆発したという日時も場所も、目撃者すら確認されていない。それでも、正体不明の差出人が送りつけた金属片は、半世紀以上にわたって一流の科学者たちを悩ませ続けてきた。その事実だけでも、ウバトゥバ事件がUFO史に残る「物証」であることは揺るがない。
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊爆発した空飛ぶ円盤の破片は「純粋なマグネシウム」だった!? 70年近く分析が続く1957年ウバトゥバ事件の謎のページです。ブラジル、UFO、金属、破片などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで