“ネット上に欠けてるもの”を表現した謎の「座る男」! 視聴者を困惑させる“新感覚”動画!
公共ラジオ局に勤務しているというベンジャミン・ベネットさん、彼の動画が今注目を浴びています。その内容は、カメラの前にただ笑って座っているだけ。なぜこんな動画が話題に……と、動画の再生時間を見てみるとなんと4時間超え! そう、彼は4時間もの間、ただカメラの前に笑って座り続けるんです。
■この動画は「ネット上に欠けてるもの」
昨年の7月から始まったこの配信、既に50回近くライブ放送されています。瞬きやたまに背筋を伸ばす動きが見られるくらいで、ほとんど動かずに、笑いながら4時間を過ごしています。おもちゃの「のほほん族」ですら頭を揺らしているというのに……。
4時間ただ笑って座っているというのはとてつもないことです。昨年、科学誌「Science」に、「人は何もしないでいるのは15分でも苦痛である」という研究が掲載されましたが、その研究の実験においては、何もしないくらいなら、電気ショックを受けることを選ぶ人もいたほどでした。
15分どころか4時間も何もしない彼の動画に対し、最初は揶揄するようなコメントが多かったものの、徐々に「アートだ」という声も聞こえ始めます。そして次第に評判となり、25回目の動画が20万回以上再生されたことからメディアにも注目され、ついに「VICE」誌によるインタビューが行われました。
まず誰もが気になる「なぜこんなこと始めたの?」という問いには、「わからないけど、ネット上に欠けてるものだと思った、必要だけど誰もしていなかったから」と話しつつ、「目的はないし、その質問がこういう活動に適切だとも思わない」と言い、われわれを困惑させます。
インタビュアーが「これはパフォーマンス・アートなの?」と尋ねると、彼は、「そういう範疇にあるけど、受け手がどう考えるがが大事」と答えました。また、笑っているのはなぜかと問うと、「笑ってないとただの瞑想動画になっちゃうし、いつでも笑っていたいという僕の気持ちのあらわれだね」と、その理由を語ります。
なんとも不可思議な受け答えですが、パフォーマンスの舞台裏についても話しています。撮影前には準備として少しの水を飲んでトイレに行き、撮影中は常に放送画面の自分の姿を見ているそうです。また、寄付を受け付けていて今まで24ドルを集めましたが、そのうち半分は彼の母親からだったとか。
■ライブ配信中にハプニングも
どうでしょう、ただ座っているだけの映像ですが少し見てみたくなりませんか? ちなみに、おすすめの回は第5回です。彼がいつものようにカメラの前で笑っていると、彼の家に何者かが侵入してくるという神回です。
謎の人物は1階のドアを蹴破り、しばらくして彼のいる2階に上がってきます。そしてついに撮影している部屋のドアを開け、「ハロー?」と声をかけてきたのでした。ベネットさんはかなりドキドキしたそうですが、あえて何も反応しないほうが「おいしい」かなと、そのまま撮影を続けたそうです。結局、謎の人物はそのまま立ち去りました。
また、いつの回とは判明していませんが、彼が事前にトイレに行くのを忘れた回があるそうです。インタビュアーがそのときに何が起きたのかを尋ねると、彼は「それは謎にしておきます」と言葉を濁しました。そういえば毎回彼はタオルのようなものの上に座っていますが……、何が起こったのか、是非200時間近い映像の中から探しだしてみてください。
(文=杉田彬)
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