不思議現象「体外離脱」が起きる謎が科学的に解明へ? “耳のダメージ”が引き起こしていた!?
何世紀もの間、人々は“体外離脱”に高い関心を寄せてきたが、「なぜ起きるのか」については諸説ある中、誰もが納得するような科学的根拠は見つからずにいた。しかし、最近になってフランスの研究チームが「聴覚と視覚の絶縁が原因で、体外離脱は起こるのではないか」という研究結果を発表した。
■めまい症状者14%が体外離脱を体験
英紙「Daily Mail」(7月26日付)は、仏・エクス=マルセイユ大学の主席研究員クリストフ・ロペス氏と前庭障害治療の第一人者であるマヤ・エルジエール博士による共同研究で「体外離脱は、前庭障害を起因とする」ことが解明されたと伝えている。
前庭障害とは、内耳の漏出や鼓膜周辺の神経の感染症だ。この前庭器官と視覚系との伝達障害が引き金となり、体外離脱といわれるような感覚を引き起こしているのではないかというのだ。
本研究は、エルジエール博士の患者210人と、制御グループとして210人の同性同年齢の、めまいを経験したことがない男女を比較して行われた。博士の患者は全員、前庭障害が原因で発症しためまいについて、なんらかの治療を受けている。
まず、めまい有りグループの多くは、過去に抑うつ状態、不安感、離人症と診断されていたことがわかった。医師団は、これらの原因を前庭障害によるものと診断している。そして、めまいグループのうち、29人(14%)は、体外離脱経験者で、彼らのほとんどは生まれて初めてめまいを感じた直後、体外離脱を経験していることが判明した。
■「抑うつ状態と離人症は体外離脱を引き起こすトリガーとなりうる」
一方、めまい無しグループの中にも、10人(5%)は同様の経験をしたことがあると答えている。彼らは、一度もめまいを経験したこともなければ、前庭障害でもない。ただ、全員がうつ病を起因とする離人症患者だった。
この結果から研究チームは、「抑うつ状態と離人症は体外離脱を引き起こすトリガーとなりうるが、最重要な要因としては、聴覚に関するトラブル」と結論づけている。ロペス氏は、この研究結果について「不思議な現象を解明していく上で、大きな足がかりになった」と今後の抱負を交えて語っている。
幸か不幸か、科学の進歩によりミステリアスでありながらファンタジーを感じさせる現象が、また一つ、白日の下にさらされることになったようだ。とはいえ、TOCANA編集部ではいたって健康体でありながら体外離脱を経験している人物を複数人把握している。彼らは瞑想によって離脱を試みるなど独自の方法で体脱しているが、ひとつ気になるのは“離脱する直前に耳元で妙な音を聞いた”と語る者が多い点だ。聴覚に関する“何か”が体外離脱と関係している可能性は高いとみていいだろう。今後の研究に要注目だ。
参考:「Daily Mail」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊不思議現象「体外離脱」が起きる謎が科学的に解明へ? “耳のダメージ”が引き起こしていた!?のページです。うつ、佐藤Kay、体外離脱、めまい、内耳、前庭、離人症などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで