生まれつき指紋がない人間!? 世界でたった4家系のサンプルからわかった、人体の謎とは?

 あなたは指紋について、どのような認識を持っているだろうか。それが、「すべての人にとって、生涯固有の形状が与えられている、指先の皮膚の模様」という類いのものであったとしたら、どうやらその認識は間違っているようだ。「Smithsonian.com」が今月14日に報じた内容によれば、世界では、極めて珍しい症状ではあるものの、生まれつき指紋を持たない人々の存在が確認されているというのだ。

生まれつき指紋がない人間!? 世界でたった4家系のサンプルからわかった、人体の謎とは?の画像1先天性指紋欠如疾患「Smithsonian.com」より

 2007年、皮膚病学者のピーター・イティン氏は、あるスイス人女性から相談を受けた。話によると、彼女は米国への入国に際して、特別な悩みに直面しているという。なぜならば、彼女の指には生まれつき指紋がなく、完全に平らだったからだ。米国への入国審査時、外国人には指紋の採取が課されることとなっているが、自分に対して当局はどのように対応するか不安に感じているというのだ。

 生まれながらにして指紋を持たない症状には、「Adermatoglyphia(先天性指紋欠如疾患)」という名が付けられているが、前述のスイス人女性の例などから、最近では別名「入国遅延病」とも呼ばれている。この症状は、遺伝性の疾患であると考えられており、実際にスイス人女性の親戚には、指紋を持たない人がほかにも存在していた。指紋が欠如する遺伝性疾患はいくつか確認されているが(「ネーゲリ症候群」や「網状色素性皮膚症」)、それらが「皮膚の色素沈着」「もろい歯」「細い毛髪」などの症状と併発するのとは対照的に、「先天性指紋欠如疾患」を持つ人は、至って健康体であるという。なお、この疾患を持つ家系は、今回のスイス人女性の家系を含めて、現在世界でも4家系しか確認されていないようだ。そしてイティン氏は、イスラエル人皮膚病学者であるイーライ・シュプレッヒャー氏との共同研究に取り組み、ついにこの極めて珍しい疾患の原因が、ある遺伝子の変異によるものであることを突き止めたのだった。

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