命か、顔か? 顔面が空洞化した男 「悪性エナメル上皮腫」の恐怖とは?
日本人のほぼ2人に1人が、生涯のうちに何らかの癌に罹患するとの統計もあるが、そのほとんどを占めるのは、胃・大腸・肺をはじめ、よく耳にする器官の癌である。しかし、極めて珍しい部位の癌に罹患すると、私たちが想像したこともないような結果や苦労を引き受けなければならない場合もあるようだ。英国「Barcroft Media」が、ある男性の壮絶な経験について報じている。
■長い闘病生活の始まり
2003年、米国ジョージア州カルホーンに暮らす元大工のドニー・フリッツさん(55)は、顔面の癌に侵されているとの診断を受ける。正式な病名は「悪性エナメル上皮腫」といい、その増殖力は凄まじく、すでにドニーさんに残された選択肢は「命をとるか、顔をとるか」しかなかったという。
12時間にも及ぶ手術に耐えた彼だが、その結果として、顔面には大きな穴が開いてしまった。鼻はなくなり、上唇や口蓋部分、さらには脳の一部分までもが切除されたという。手術には成功したものの、その容姿の変貌ぶりから、身体的苦痛のみならず精神的にも深く傷付いたドニーさん。現在までに40回以上の整形手術を経てしても、穴を元に戻すことはできなかった。
2011年、そんなドニーさんに、顔面の穴を覆い隠して以前の容姿を回復するための器具を提供しようと、ある外科医チームが名乗り出てくれる。やっと苦しい人生に希望の光が射したように見えたのもつかの間、彼はその後、命を脅かすほどの感染症を患ってしまうのだった。
【2ページ目は、ショッキングな写真を含みます】
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