マラリアや乳がんも治す新薬がついに!? ナマケモノが教えてくれた驚愕の発見!
ナマケモノという動物は、大きく2種類に分類されることをご存知だろうか。指が3本あり小さな尾を持つものは「ミユビナマケモノ」、2本指で尾を持たないものは「フタユビナマケモノ」と呼ばれている。「フタユビナマケモノ」のほうが、「ミユビナマケモノ」と比べて気性が荒く、動作も俊敏な性質を持つ。一般的に私たちがナマケモノと聞いて思い浮かべるのは、「ミユビナマケモノ」である。今回はこの「ミユビナマケモノ」が、われわれに画期的な新薬をもたらしてくれるかもしれないという最新の研究結果を紹介しよう。
■毛に潜むスゴい微生物
パナマとアメリカの学者で構成された研究グループが、今月15日、学術論文誌「PLoS ONE」上において、「ナマケモノの毛に潜む微生物が生み出す物質には、ヒトに感染する病原体を死滅させる効果がある」ことを発見したという。今回の研究は、ナマケモノの毛に潜む、多種にわたる微生物の一部を取り扱った実験に過ぎず、そのメカニズムまでも解明するものではない。しかし科学者たちは、今後研究が進展した暁には、ナマケモノの毛が、新薬発見の宝庫となるものと考えているようだ。
そもそも、ナマケモノの毛にシアノバクテリアという微生物が潜んでいることは以前からよく知られていた。時にナマケモノが緑色に見えるのは、「シアノバクテリア」の影響であるが、これには熱帯雨林において自らをカモフラージュする効果があるとされる。しかし、ナマケモノの毛に潜むそれ以外の微生物については、ほとんど研究されることがなかったようだ。
■人類を救う? 驚愕の発見!
そして今回、ナマケモノの毛に潜む微生物を調査した研究者たちは、その結果に驚嘆したという。微生物が生み出す物質(今回発見されたのは20種)が、熱帯熱マラリア原虫(マラリアの原因)やクルーズトリパノソーマ(シャーガス病の原因)といった、ヒトに寄生する原虫を殺す力を持つことを確認したのだ。さらに驚くべきことに、ヒトの乳がん細胞の活動までも弱めることが判明する。ちなみに、これまでシャーガス病に対して効果を発揮する科学物質はほとんど見つかっていなかった上、現在用いられている治療薬は、副作用のために投与を中止しなければならなくなる例も多かったという。
「今回の研究は、近い将来新しい抗生物質が誕生する道を開くものだ」と研究者たちは語っている。何かとその動きの遅さをバカにされてきたナマケモノ。医学の進歩への貢献という意味では、実はかなりのハタラキモノだったのかもしれない。
(グリーン・M)
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