芸術か、狂気の沙汰か?世界一高いビルを丸ごとラッピング!?

 現在、東京スカイツリーは、「ムサシ」と呼ばれるように634メートルと電波塔としては世界一。世界で一番高い建物はといえば、ドバイにある自立型の超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」で828メートルだ。しかし、高すぎるビルはその反射によって、周辺の都市景観と調和が取れていないとの問題が指摘されている。そこで、驚くべき打開案が提示されたのだ。

■サランラップのように建物丸ごと包みこむ!?もはやアート??

芸術か、狂気の沙汰か?世界一高いビルを丸ごとラッピング!?の画像1画像は「Daily Mail」より

 経営不振に悩まされている「ブルジュ・ハリファ」は、景観問題を解決しつつ、世間からの注目を集めるための手段を模索していた。そこで、「Op-en」というドバイを中心に動いているシンクタンクが、サランラップのように、超軽量かつ半透明の繊維で建物全体を包んでしまおうという奇抜な案を提示したのである。「最上部から包み込むことによって、都市の景色を建物自体に反射させつつ、景観とうまく調和させることが可能になるのです。これはもはやアートとも言えるでしょう」と、デザイナーは語っている。この半透膜で反射性のある扇形の幕により、訪れた人は、遠方から見れば、「ブルジュ・ハリファ」に周辺の都市景観が映し出され、近づくにつれ超高層ビル自体が見えてくるという。

 そしてデザイナーチームはさらに、幾多の実験によって、「反射したものを反射させる」という独創的なアイディアまで出していた。

■反射によって増幅する景色

 828メートルものタワーを覆う半透明の反射素材は景色の調和だけでなく、周囲の雰囲気を流動的に変化させることができる、とした。都市風景がタワーに写り、それがまた、都市にあるビルなどの外壁に反射する。それを繰り返すことによって、どんどんその効果が増幅し、芸術的かつ流動的な景色を作り出すことが出来るという。つまり、景色を「増幅」させることによって、アート性の高い視覚効果を生み出すというのだ。

 「最終的には、視覚的な都市の広がりを増幅させ、シンボルであるタワーの存在感をより強いものにし、広大な規模で芸術的な雰囲気を作り出すことになるでしょう」と、デザイナーチームは語っている。

■「高すぎる」がゆえの高すぎる問題

 日本の日立を含め、世界各国の技術を結集されて建設された「ブルジュ・ハリファ」、計160階のうち、40階までアルマーニが経営するホテルが入っており、108階まで移住区として約1000部屋を提供している。その他はオフィスをメインに、商業施設や娯楽施設が入っている。しかしここにきて、エレベーターの管理料に関するもめ事が起きているのだ。エレベーターの管理会社である「エマールプロパティ」が、2012年以来から、一部の住人による料金未払い問題で、このまま事態が改善されないのなら、操業を停止するとの警告を出したのだ。エレベーターは57基あり、退屈させないためLCDディスプレイが備え付けられるなど豪華な作りであるが、その反面、賃借人は管理料として、年間2万5000ドルも支払わなくてはならない契約になっている。この数字も最低額で、所有面積や階数などによって異なってくる。もしエレベーターが止まれば、最上階まで行くのに2909段もの階段を上らねばならなくなる。先週日曜日、管理料未払いの賃借人に対しては、専用カードに細工して、ガレージ、ジム、プール、テニスコートなどへアクセスできないようにしたと、地元紙は伝えている。日本でも、東京湾岸部に乱立するタワーマンションで、窓の清掃費や管理費などの高層建築ならではの維持費対策が問題になっている。高層建築につきまとう諸問題は万国共通なのだ。

(アナザー茂)

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