「アバター」の世界が現実に? 自らの意思で他者の身体を操縦できることが判明!!

 映画「アバター」の世界が、現実となる日も近いかもしれない。先月18日、オンライン・ジャーナルの「Nature Communications」上で公開された最新の研究報告によると、2匹のサルを用いた実験において、一方がもう一方の身体を、意思によって自由にコントロールできる事実が確認されたというのだ。これは一体どのような仕組みなのだろう。またその技術が私たちに何をもたらすというのか。詳細をお伝えしよう。


■2匹の脳と脊髄を結合

 今回の報告を行ったのは、米国ボストンにあるマサチューセッツ総合病院の脳神経外科医、ジッブ・ウィリアムズ氏だ。彼のチームは実験用に2匹のアカゲザルを用意する。そして一方には脳に電極ワイヤーを差し込み、もう一方には脊髄に電極ワイヤーを差し込んだ。その上で両者の体から伸びるワイヤーを、中継装置を経由させて結合することにより、一方の脳から発せられる信号が、もう一方の運動神経へと直接伝わる仕組みを作り上げたのだった。


■アバターに触発されて……

 ウィリアムズ氏は、科学サイト「LiveScience」の取材に対し、この研究が映画「アバター」に触発されたものであると明かしている。2009年に公開されたこのSF映画では、下半身不随の主人公が自身の脳をコンピュータに接続することによって、「アバター」と呼ばれるもうひとつの生体を、まるで乗り移ったかのように自在にコントロールできる仕組みが構想されていた。そして今回ウィリアムズ氏が行った実験は、この「アバター」の世界を体現したかのような結果を示すのだった。


■実験の詳細

「アバター」の世界が現実に!? 自らの意思で他者の身体を操縦できることが判明!!の画像1上が“操られる側”、下が“アバター”「LiveScience」より

 まず彼のチームは、脳に電極ワイヤーが差し込まれた「操る側のサル」に、“スクリーンに映しだされたカーソルを標的まで移動させると報酬がもらえる”と教え込む。そして、脊髄に電極ワイヤーが差し込まれた「操られる側のサル(アバター)」に、カーソルを操作できるジョイスティックを握らせたところで実験開始。すると「操る側のサル」は、「操られる側のサル(アバター)」の手を使って見事にジョイスティックを操作し、カーソルを移動させることに成功したという。ではウィリアムズ氏は、今回の実験結果を今後どのように応用するつもりなのだろうか。

関連キーワード:, , ,

関連記事

    人気連載

    現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

    現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

    現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

    2024.11.14 23:00心霊
    彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

    彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

    現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

    2024.10.30 23:00心霊
    深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

    深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

    現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

    2024.10.16 20:00心霊
    “包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

    “包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

    現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

    2024.10.02 20:00心霊

    「アバター」の世界が現実に? 自らの意思で他者の身体を操縦できることが判明!!のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

    人気記事ランキング17:35更新