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画像は、「susanblackmore」より

 スーザン・ブラックモアは、イギリスの超心理学者であった。あったと述べたのは、彼女は2000年に超心理学研究を離れたからだ。彼女の場合、研究を止めたというより諦めたという方が適切かもしれない。

 学生時代は友達とウイジャ盤で交霊会を実施したり、自らタロット占いを行ったりしていたようだが、オックスフォード大学入学後自ら対外離脱を経験し、世界で最初に「サイ現象(霊感と念力)」の実在を証明すべく超心理学を志した。そして、サリー大学で超心理学の博士号を得たものの、彼女が行った実験は想い通りの結果を残すことができなかった。

 たとえば、最初に行った「テレパシー実験」。タロット・カードによる性格判定は偶然予想される数値を上回ったが、同じ超心理学者のカール・サージャントに手法上の問題点を指摘されてしまった。そして、他の学者が子供を対象とした実験で成功したと聞けば、自分も子供のテレパシー実験を行い、ガンツフェルト実験(五感を遮断しながらカードに書かれた答えを当てるなどする実験)が有望と知るとやはり自分でもやってみた。病気になったときはオランダまで行ってゲラルト・クロワセットの診断を受けた。しかしいずれの結果も彼女を失望させた。

 その理由について、同僚の超心理学者たちは、ネガティブな実験者効果のせいだと慰めようとした。ある特定の研究者が超心理学実験に何らかの形で関与すると、結果が通常より良かったり、逆に悪かったりする。これを実験者効果と呼んでいるのだ。しかしブラックモアは懐疑的な傾向を強め、1979年には、カール・サージャントが行ったガンツフェルト実験に疑問を呈し、この結果サージャントは超心理学研究から足を洗った。

 超心理学者の間でブラックモアの評判は悪化し、懐疑的な冷血女のような言い方をされるようにもなった。実際ブラックモア自身も、イギリス心霊研究協会(SPR)に所属する傍ら、懐疑主義団体であるSCICOP(超常現象とされる現象の科学的調査委員会、現在はCSIと改称)にも参加し、CSICOP系列の出版社から著書を出している。

 ブラックモアはその後も、超常現象を扱ったテレビ番組に多数出演しているが、その立場はむしろ懐疑主義を代表するものとなっている。そして2000年になって、ブラックモアは超心理学研究を止めると宣言し、2002年には大学の職も辞してしまった。

 こうしたブラックモアであるが、その著書の中で、彼女の講義に集まった一般の人たちの前でちょっとした心理トリックを披露したことを告白している。一見テレパシーを思わせるこのトリックは非常に簡単にできるので、その概要を紹介したい。うまくいけば宴会芸として受けるかもしれない。


■テレパシーに見えるトリック

 まずは数字の37を書いた紙を前もって封筒に入れておき、会場の人々にこう言う。

これからある数字をテレパシーで送りますから、自分が思いついた数字を紙に書いてください。数字は奇数のみの2桁の数字で、50より小さい数とします。ただし、同じ数字が並ぶものは除きます。つまり、11は外しますが、15のような数は“あり”です

 こう言って、テレパシーを送るようなふりをする。ブラックモアによると、ほぼ半数が37を選んだという。種明かしをすると、50以下の2桁の数字で、奇数のみ、それも同じ数字が重なっていないものは8個しかない。そして例示で挙げられた15を選ぶものは少ない。それに、奇数と言われた場合、1よりも3のほうがぴんとくるものだ。

 ブラックモアはもう1つ、2つの簡単な図形を組み合わせたものを用いる方法も紹介している。2つの簡単な図形と言われると、多数の人間が丸と三角を選ぶということだ。つまり、あらかじめ丸の中に三角を入れた図形を描いておき、数字と同じように念を送るふりをするのだ。

 ただし、会場の人数があまりにも少数だと、このような通常の人間とは異なる数字や図形を選ぶ者がたまたま集まってしまう可能性もあるから、ある程度大人数の場で披露した方が成功率は高いだろう。
(文=羽仁礼)

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