機内食がマズい本当の理由が明らかに!! 航空会社を責めるのは酷!?
もうすぐゴールデンウィークがやってくる。今年は最長で11連休ということもあり、家族や友人たちと、飛行機に乗って旅行に出かけるという人も多いに違いない。ところで、フライト中に提供される機内食に、それほど良い評判を聞かないのはなぜだろう。少なくとも筆者は、「舌鼓を打つほどに美味しかった」という話を耳にしたことはない。どうやらその原因は素材の質や調理の方法ではなく、私たちの体にあったという話題を紹介しよう。

■「味蕾」が鈍っていた!
英紙「The Daily Mail」が今月14日に報じたところによると、「機内食の味」に関する研究が世界各所で進められており、次第にそのメカニズムが明らかになってきたようだ。300社を上回る航空会社に年間4億500万食を提供する、世界最大のケータリング会社「LSGスカイシェフ」のグラント・ミッケルス調理長によると、「機内食の味」は、実は乗客の味蕾(みらい)の状態に大きく左右されているという。
味蕾とは、人間の口腔内にある「味を感じる器官」であるが、高度35,000フィート(約10,000m)の上空では、変化する気圧や機内の乾燥した空気の影響で、その感度が3分の2も低下してしまうのだ。ミッケルス調理長は「機内食の素材は、全く非難に当たるようなクオリティのものではありません。フライト中は何を食べているかにかかわらず、地上と比べてぼんやりとした味に感じられてしまうのです」と語る。
ドイツの研究機構である「フラウンホーファー協会」が行った実験でも、変化する気圧が人間の味蕾を鈍らせることが明らかとなっており、それは「まるで風邪をひいた時のような感度になってしまう」という言葉で表現されている。具体的には、塩味と甘味に対する感覚が3割程度低下するようだ。さらには、(胴体の腐食を防止するために)機内の湿度を低く保っていることが、乗客の鼻を乾燥させ、食べ物を味わうために必須の「香り」も感じにくくしているようだ。
■機内のノイズも原因だった!?

別の研究では、さらに驚くべき事実も明らかになった。なんと、フライト中の機内で乗客たちが晒されているノイズも、味蕾を鈍らせているというのだ。マンチェスター大学で行われた実験では、48人の目隠しされた被験者らに、無音の状態とノイズに晒されている状態のそれぞれで料理を味わってもらい、彼らが述べた感想を比較することで以上のような結論を導き出した。また不思議なことに、ノイズに晒されている状態で食べる料理は、より噛みごたえのあるものに感じる傾向にあることも判明したという。
これらの研究結果は、機内食を地上の食事以上に美味しくすることは不可能だと示しているようにも思えるが、課題をクリアするために様々な試みも行われている。その過程で、風味の輪郭をはっきりとさせるための鍵は、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」のバランスと、日本で発見された味覚である「うま味」にあることが明らかになってきたようだ。
さて、機内食がイマイチな理由は、料理のクオリティではなく、私たちの体の状態にあった。機内食の味で航空会社を責め続けるのは、少々お門違いだったのかもしれない。少なくとも、機内食のみを目当てにファーストクラスを選ぶ理由はないと言えそうだ。
(スポンジ保父)
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