市民を組み伏せる、犬に銃を向ける…  警察の野蛮な姿がTwitterで拡散!

■根強く残る傍若無人な『ストップ・アンド・フリスク』の弊害

 海外メディアの多くは『このキャンペーンがこのようになることは火を見るよりも明らかだった』と、冷ややかな目でNY市警のキャンペーンを評している。

 今回、「#mynypd」はTwitterを使った全世界規模のキャンペーンであるため、すべての警官がNY市警であることは考えにくい。だが、それでも「NY市警ならばやりかねない」という声が上がっているのも事実。この背景には、ウワサに名高い悪しき風習「ストップ・アンド・フリスク」があるのは間違いないだろう。

「ストップ・アンド・フリスク」とは、待ちゆく市民たちに対し、問答無用で職務質問や所持品検査を行うというもの。通常であれば、治安維持のためには仕方ないと思えるところだが、2004年~2013年まで、NY市警は街行く人々を見た目で選別し、黒人やヒスパニック系の人たちを中心に尋問を行っていたという調査結果が出ており、根拠のない横暴な尋問が問題視されてきた。

 そのため、各営利団体や住民たちは集団でNY市警を相手取り、訴訟を起こし、「ストップ・アンド・フリスク」は違憲であると判決がでた。またNY市長に、今年1月より就任したデブラジオ氏は、この傍若無人に思えるNY市警の行為に対し、「改善を行う」と声明を発表している。

 今までの横暴とも取れる態度で、今回のキャンペーンがマイナスに働いたとも取れます。ですが、この『ストップアンドフリスク』で、8000丁もの拳銃を押収できたため、犯罪率の低下につながったと訴える人たちもいるため、一概に不必要だったとは言いがたいのが現状のようだ。

市民を組み伏せる、犬に銃を向ける…  警察の野蛮な姿がTwitterで拡散!の画像5※画像:Twitterより

 日本でも警察官からの職務質問を嫌う人は大勢いる。しかし、彼らの行為も決して嫌がらせではなく、治安を守るために行っているはずなのだ。いつか、こんなキャンペーンで募集しなくとも、笑顔で警官と肩を並べる写真がネット上であふれる日が来ればいいのだが…。そんな世の中に至るまでの道のりは今はまだ遠そうだ。
(文=ぬーとりあん・かぴばらんぬ)

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