宇宙友好協会の終末予言とは!?選ばれし者だけが宇宙人に救済される?

■「宇宙友好協会」が与えた影響

 ところで「宇宙友好協会」そのものは、60年代以降表立った活動をしていないが、この団体に所属していた元会員たちは、その後の著作物を通して日本のUFOシーンに少なからぬ影響を残している。たとえば、UFOを呼ぶために何人かで手をつなぎ「ベントラ、ベントラ」という呪文を唱えるやり方は、彼らが始めたものだ。また、「縄文時代の遮光器土偶は古代の宇宙飛行士を象っている」との説を広めたのも、やはり彼らだ。

 そして、彼らの中には「近々地球規模の大災害が起こるが、選ばれた者だけが宇宙人に救済される」とする自称「予言者」たちが今も多数存在し、時期だけを更新しながら、ほとんど同じ内容を繰り返し主張し続けているのだ。


■近年の終末予言と、その実態

 さて、2012年12月21日、「マヤ暦の終わりとともに世界に終わりが訪れる」と主張する「予言者」が大勢現れた。この時、ある者は「未知の惑星ニビルが地球に接近する」と唱え、またある者は「太陽系が『フォトンベルト(光の粒子が集まった帯)』なるものに突入する」とし、ポールシフトが起こるとも予言していた。

 幸い、こうした予言はすべて外れているのだが、それもそのはず。実は、終末予言の文脈で語られる「天変地異」にしろ、「謎の惑星の接近」や「フォトンベルト」にしろ、過去に唱えられた説が現代に時期を合わせて復活しているだけの話なのだ。「フォトンベルト」は、そもそもドイツの作家ポール・オットー・ヘッセが、1949年の著書で提唱した架空のものであり、「謎の惑星の接近」とそれに伴うポールシフトも、エマニュエル・ヴェリコフスキーが1950年に著した『衝突する宇宙』で述べた内容の焼き直しだった。


 いつの時代にも囁かれてきた、「この世の終わりが訪れる」という予言。「宇宙友好協会」の流れをくむ終末予言は、今後どのような展開を見せるのだろう。


■羽仁礼(はに・れい)
一般社団法人潜在科学研究所主任研究員、ASIOS創設会員。 

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