日本からアフリカのテロ組織に資金が流れている!? 外交官が語った、「ボコ・ハラム」の闇
■テロ組織と日本は、図らずも「あの材料」でつながっていた!
また彼は、日本とアフリカのテロ組織の間にある、隠された関係も指摘した。
「ナイジェリアのボコ・ハラム、そしてスーダンのジャンジャウィード、ソマリアのアル・シャバーブなど、アフリカのテロ組織の重要な資金源の一つが、密漁象牙です。そして日本は、中国と並ぶ最大の象牙輸入国なのです。日本では印材として象牙が最良との考えがまだ根強いですが、合法を装って輸入される象牙の中にも実は密漁象牙が混じっている」
アフリカゾウの保護を訴えるNGO「アフリカゾウの涙」によれば、1999年に一旦全面禁輸された象牙であるが、2000年には日本向けに約50トン、2008年には中国と日本に108トンが特別に輸出許可されている。これらは、自然死したアフリカゾウなどからアフリカ諸国政府が合法的に採取したものという触れ込みだが、行政機関に汚職のはびこっているアフリカでは、こうした象牙にもかなりの量の密輸象牙が含まれているらしい。そしてこの2回の特別措置により、密輸業者は将来も同様の措置が行われることを見込んで違法象牙の取引が活発になっているともいう。
最後に外交官は次のように話を締めくくった。
「日本の印相学では、象牙が幸運を呼ぶ最良の印材とされているようです。しかし、日本で誰かが象牙の開運印鑑を買うと、それがアフリカゾウの生存を危機に陥れるばかりか、テロ組織に資金を与え、ひいては現地在住の日本人の生命を脅かすという構図が生じています。なんとも皮肉で悲しいことです」
(文=櫻井慎太郎)
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