飛び込み自殺は特急列車に限らない ― 大久保駅で目撃した事故から考える、心理状況とは?
ちなみに、国土交通省のデータによると、大久保駅では、必ずしも自殺とは限らないが、年に一度は事故が起きている。山手線の高田馬場駅は2002年~2010年の間に11件の事故があった。うち自殺は4件で、うち死亡したのは1件だ。ほとんどは、運転手がホームから線路に飛び込む客を目撃し、停車しているケースが多い。高田馬場を通過する埼京線の線路は、ホームから遠い。そのため、いずれも山手線の事故となる。飛び込む者はスピードが落ちきれていないタイミングを狙っているのだろう。
大久保駅での事故も電車がホームに入るスピードが落ちきらない、ホームの端ではあった。状況から見て、自殺の可能性は高いだろう。やはり、雇用情勢が厳しいことが背景にあるのだろうか? もし自殺だったとしたら、特急・快速にかかわらず、何かを思った瞬間に飛び込んでしまうものなのかもしれない。
また、自殺を考えたことのある人の取材をして気がつくことは、ホームで飛び降りを考えたが、実際には実行に移さないといった「未遂者」は何人もいることだ。「なぜ飛び込まなかったのか?」を聞くと、多くの人が「怖いから」や「多くの人に迷惑をかけることになる」などと答えている。実行に移すというのは、そうした冷静な思考ができず、死に対して衝動的になっているときではないかと想像している。
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