渋井哲也のひねくれ社会学

東北被災地で見た幽霊 ― 無人の渋滞、女性の手…霊を鎮めるために建てられた「供養塔」の謎

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 東日本大震災では、多くの犠牲者が出た。直接死は警視庁の統計では15,880人(消防庁では18,131人)になっている。そのせいもあるのか、被災地では心霊現象を体験している人たちがいた――。

 被災地では、震災以前から様々な心霊現象があったとの話を聞くが、ここにきて奇妙な話を聞いた。たとえば、トンネルでの心霊現象は、被災地のみならず、全国でもよくある。しかし、そうした心霊現象をおさめるために、地域がお金を出し合い「供養塔」を建てるという話は珍しい。しかし、被災地取材の合間にそういったことが実際に行われていることを耳にした私は、ついに、その供養塔を見つけたのだった….。


■消えた対向車

 では、まずは被災地での私自身の「心霊」体験を話しよう。宮城県南三陸町から石巻市に向かっているときだった。時間は真夜中。国道45号線を使って車で移動中だった。レンタカーを私が運転し、助手席には、一緒に取材をしていた某新聞記者が乗っていた。ほとんど対向車もない時間帯だ。

 南三陸町志津川の中心部を過ぎたあたりで、対向車がやってきた。もちろん、真夜中のため、対向車はヘッドライトをつけていた。私は「あ、やっと対向車が来たな」と思った。しかし、すれ違うはずのタイミングで、対向車がいなくなっていた。「あれ? 対向車がいない?」と思って、バックミラーやルームミラーで後ろを探した。しかし、対向車のテールランプは見えない。

 だとすれば、「脇道があったのか?」と思ったが、すれ違ったタイミングの場所には脇道もない。曲がった車も見ていない。そもそも対向車がいたことが私の見間違いだったのかと思い、助手席の記者に確認したが、「あれ? すれ違わなかったね」と言い、2人の間では不可思議な出来事となった。もしかすると、あれは、心霊現象で、亡くなったのを知らないままに、霊が車を運転していたのではないかと思えた。

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