エボラ出血熱の惨状…! 人として扱われぬ感染者たち=リベリア
もはや説明は不要であろう、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱。事態は日を追うごとに深刻化し、各国でも感染への危機対応が迫られている。8月21日では東南アジアで感染の疑いがある症例がみられたという報告もある。
■スペイン人司祭がエボラに斃れる
感染者の多い国のひとつ、リベリアでエボラ出血熱に感染し、今月初めに本国スペインに軍用機で厳重な管理下の元に搬送され、首都マドリッドにある病院で治療を受けていたカトリック司祭のミゲル・パハレス氏(75歳)は残念ながら先日8月12日に死亡、ヨーロッパでエボラ感染者が亡くなった初めてのケースとなってしまった。
リベリアでは感染者はもはや人としての扱いを受けておらず、現地で宣教活動を行っていたパハレス氏はずっと、リベリアに残した患者のことを心配し続けていたという。
感染が拡大している国や地域では、感染を防ぐ為に軍隊が道を閉鎖し、町同士の往来を禁じている状況である。現地では人々も感染への恐怖とパニックで大混乱となっており、無秩序状態となっている。エボラウイルスの蔓延る西アフリカ諸国の現在の悲惨な状況を英「Daily Mail」が伝えた。
■ギニア、リベリア、シエラレオネと相次ぎ蔓延
170万人もの人々が暮らす、ギニアの首都コナクリ。混雑する道の隅にある水溜まりに突っ伏すように倒れている男性がいる。だが彼には誰一人、警官さえも近づかずに見守るだけである。男性がエボラ出血熱に感染していることを怖れて近寄らないのだ。
また、リベリアでは、感染により死亡した人々は通りまで引きずられそのまま捨てられている…。冒頭の、亡くなったスペイン人宣教師パハレス氏が述べた通りの、目を覆うような悲惨な状況だという。首都モンロビアは壊滅の危機にあり人々は食料の確保に血眼になっている。
サーリーフ大統領は8月6日から90日間の非常事態を宣言し、「リベリア政府と国民は、国家と人民を守る為非常手段を必要としている」と指摘。また、人々の強固な信仰や長年培った慣習ならびに病気に対しての知識のなさと貧困が感染の拡大を招いているとも述べている。
シエラレオネでも750名の兵士達が、感染が拡大している地域に対して50日間の隔離政策をとっており、中の住人達と衝突を生み出している事態となっている。通行可能なのは食物と医療品を運ぶ 場合に限られ、全ての学校を閉鎖、住民は公共の場で集まることも禁止されているという。だが住民のデモも続いており、治安上の懸念も高まっている。
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