人間を爆裂させる「エボラ」は本当に天然ウイルスか? 生物兵器の可能性に科学ライターが迫る!
■エボラ出血熱とは?
今年に入り、西アフリカで爆発的な流行を起こしているエボラ出血熱。致死率は最大90%以上、最短1週間で死に至るという、人類史上、最も危険なウイルスのひとつだ。エボラウイルスは高い致死率もさることながら、その症状が凄まじい。
■エボラの症状 皮膚・目・脳
感染初期に罹患者の免疫の生化学反応系を阻害して麻痺させ、その間に増殖する。最初は咳や発熱から、風邪だろうと考えていているうちに、エボラウイルス特有の症状が現れ始める。
血管という血管にウイルスが固まって血栓を作るために、血が流れなくなり、次々に臓器が死に始める。皮膚の下で増殖を始めたウイルスは、コラーゲンを食べて液状に変えてしまう。コラーゲンは肌を支える皮膚の骨組みだ。それが溶かされてしまうために、皮膚はブヨブヨの水風船のようになる。青紫色の死斑が浮かび、発疹ができる。血管も破壊され、全身の毛穴という毛穴、鼻の穴や耳などからも血が流れ出す。
エボラウイルスは目の中でも増殖する。目の血管が切れ、真っ赤に充血、血の涙が流れ始める。血の涙は止まらない。ウイルスが血球を破壊してしまうため、血が固まらないのだ。
ウイルスは脳も破壊する。血流が止まることで顔面神経が麻痺し、能面のような無表情になる。日に日に意識はなくなり、ロボットのように機械的な動作しかできなくなる。絶え間なく吐き気が襲い、溶解した内臓とウイルスと血が混ざり合った真っ黒な液体を吐き続ける。まるでゾンビだ。最近のゾンビ映画では、目から血の涙を流し、口から黒い血を吐くゾンビが増えているが、エボラ出血熱の患者がモデルなのかもしれない。
■感染力の鍵は人体爆発
エボラウイルスは極めて脆弱なウイルスだ。乾燥に弱く、インフルエンザウイルスのように空気感染することができない。罹患者の体を離れると数時間しか生存できないほどだ。そこでエボラウイルスは脆弱でありながら、最大に感染率を高める方法を編み出した。
宿主を内側から炸裂させるのだ。
エボラウイルスは最後に人体を炸裂させる。炸裂するとウイルスがたっぷり詰まった血液が、周囲数メートルにべったりとばらまかれる。“放血”という。患者が放血した部屋は、床も壁も天井にまでも血がぶちまけられるため、閉鎖するしかないのだそうだ。
■生物兵器? その正体は?
エボラウイルスの、あまりにも殺人に特化した性質から、本当に天然に存在するウイルスなのか、いぶかしむ人が少なくない。しかも今回の流行は、過去40年間のエボラ出血熱の流行とは桁が違う。エボラ出血熱は1976年に発見され、それから約40年間で1600人が死亡したが、今回は今年に入り、すでに1400人以上が死亡しているのだ。そのため、細菌テロか人為的に改良されたウイルスではないか? と深読みする評論家もいる。
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