【人体の驚異】部分的に白人になった黒人女性 ― 「シロナマズ」羅患による壮絶人生とは?

 UVB治療とは、まずリサさんの皮膚画像を分析し、肌の色と白斑をカバーするために必要な色合いを割り出し、特別な配合した光を照射する。その後、皮膚を完全に一致させるためのメイクを施すというものだ。術後、リサさんは「最高よ! 心の底からハッピーになれた私をみたら、姉もきっと喜ぶわ!」と語った。

【人体の驚異】部分的に白人になった黒人女性 ― 「シロナマズ」羅患による壮絶人生とは?の画像2UVB治療中のリサさん 画像は「Daily Mail」より


■今なお続く誤解と偏見

 尋常性白斑を患い今なお偏見に苦しむ人は、世界中にたくさんいるという。故マイケル・ジャクソンも同じ病気を患っていた。「スリラー」で一躍有名になった彼は、1993年のインタビューでも白斑であることを発表したが、鼻の整形後に白斑を発症していたため、肌の変化も“皮膚を漂白した”など様々なウワサが囁かれていた。彼は膠原病の一種である全身性エリテマトーデスも患っていたという。

 メディアは、病気の症状からくる様々な行動をマイケルの“奇行”として騒ぎ立てたが、2009年6月25日に50歳で亡くなった後、死後解剖を経てようやく尋常性白斑を患っていたことが広く認知された。マイケルの色素は爪の先にしか残っていなかったというが、彼は自らが黒人であることを誇りに思っていたという。

 彼の死後、日本でも数々の追悼番組が放送されたが、「マイケルファン」を自称する有名司会者なども、はっきりと「肌を脱色した」「白人になりたかったのかも」と発言している。 

 突如体に現れた白斑……。徐々に全身に広がり、世間から好奇と偏見の目で見られ、時にあざけられる。苦難を背負わされた彼らは、世界中で今も無言の戦いを強いられている。白斑をカバーする治療を終えたリサさんは、最後にこう言った。「これで私はやっと元の自分に戻ることが出来た気がする」と。

参考:「Daily Mail」ほか

文=福島沙織

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