ヒッグス粒子は発見されていなかった? ノーベル賞実験に早くも疑惑が浮上!
「テクニヒッグスは素粒子ではない。その代わり、我々が素粒子であると考えているテクニクォーク(techni-quark)で構成されている。テクニクォークはダークマター(暗黒物質)の形成にも一役買っているだろう。それゆえ我々はLHCからダークマターのような物質もいくつか発見できるのではないかと考えている」(フランデセン准教授)
この話に登場してきた「テクニクォーク」は、標準理論には出てこない素粒子である。そう、つまりフランデセン准教授は標準理論の支持者ではないということだ。CERNのヒッグス粒子発見に異を唱える他の研究者も、つまるところ標準理論とは違う見地から発言しているということになる。
■標準理論の限界が見えてきたのか
実は、標準理論で解明できた物質は宇宙全体の僅か4.9%だけで、あとの残りはダークマター(暗黒物質)やダークエネルギーと総称され、今もまったく正体不明である。宇宙に満ちている物質の約95%に理解が及ばないということは、我々人類は宇宙についてほとんど何も分かっていないのだとさえ言えるのかもしれない。
「もしこのテクニヒッグスの構成要素であるテクニクォークが存在するとすれば、この世にはまだ発見されていない力(フォース)が存在することになる。なぜならテクニクォークは現在の物理学で説明できる力では結びつくことができないからだ。そのまだ見ぬフォースを我々は『テクニカラー・フォース(technicolor force)』と呼んでいる」(フランデセン准教授)
この「テクニカラー・フォース」という言葉の出自は、標準理論を修正するための最新理論である「テクニカラー理論(technicolor theory)」から来ている。このテクニカラー理論によれば、ヒッグス粒子は素粒子ではなく、やはりテクニクォークで構成されている物質だということだ。
果たして本当にヒッグス粒子は発見されていたのか否か、標準理論とテクニカラー理論のどちらが正しいのか、門外漢にとっては今後の研究を待つしかないのだが、昨年にノーベル賞を受賞した研究が早くもこうして疑惑に晒されているのは、日進月歩で進む最先端研究の凄まじいスピード感を垣間見せてくれる出来事だと思う次第だ。
(文=仲田しんじ)
参考:「Economic Times」、「RT」ほか
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