「愛犬の仇討ち」で殺人を犯した死刑囚・小泉毅に聞いた! 犬の大量遺棄問題の対処法

「愛犬の仇討ち」で殺人を犯した死刑囚・小泉毅に聞いた! 犬の大量遺棄問題の対処法の画像3出典(小泉毅死刑囚の論文「特殊相対論の修正について」より 8/12)

 そんな小泉のことも死刑確定後、面会や手紙のやりとりができなくなって数カ月経ち、筆者は正直、記憶が薄まっていた。今回話題になった犬の大量遺棄問題をうけ、久しぶりに小泉の話を聞いてみたく思ったのは、小泉が“ペット虐殺行政”を改善するため、色々私案を示していたからだ。

国が今、犬や猫を虐殺するために使っている金は、犬や猫を生かすために使うべきです
ペット販売を厳しく規制し、動物虐待に関する刑罰ももっと重くしないといけません
動物を保護するための警察機関のようなものも必要だと思います

 全国で続々発覚している犬の大量遺棄については、栃木・鬼怒川の事件で18日、元ペットショップ店員の男が廃棄物処理法違反などの容疑で逮捕されたが、全国の他の事例でも悪質な業者の犯行が疑われている。昨年9月に施行された改正動物愛護法により、業者が不要な犬を処分目的で自治体に持ち込みづらくなったためだ。そんな中、小泉が死刑確定前に示していた“ペット虐殺行政”の改善案は、業者の悪質行為への対処策として有効に思え、改めて感心させられた。

■実は存在した、小泉の支持者たち

 実はそんな小泉に共感する動物愛護家たちも少なからず存在する。マスコミは黙殺しているが、今年6月にあった最高裁の判決の前には支持者らによって減刑を求める署名活動が行われ、1,500筆をゆうに超す署名が集まっていたほどだ。最高裁の判決公判には、小泉の支持者たちも傍聴に来ていたが、死刑確定を決定づける上告棄却という結果に本気で憤り、残念がっていた。

小泉さんは本当に素晴らしい人です。もしも国を変えることができたとすれば、小泉さんは革命者だと思います

 ある女性支持者は涙ながらにそう力説していたが、支持者たちの間では、死刑覚悟で犯行を敢行した小泉を崇拝するような雰囲気すらあった。もちろん、小泉の殺人行為を肯定するわけにはいかないが、この国はそろそろ、動物を飼うための資格審査制度を設けるくらいの抜本的な改革をすべきではないか。そうしなければ、第2、第3の小泉が出現しても不思議はないように思える。

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文=片岡健

ノンフィクションライター。全国各地で新旧様々な事件を取材している。著書に『平成監獄面会記』(サクラBooks)、編著に『桶川ストーカー殺人事件 実行犯の告白』(KATAOKA)など。同書のコミカライズ版『マンガ「獄中面会記」』(カルトコミックス、作・塚原洋一)が8月8日に発売。
Twitter:@ken_kataoka

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