良い子は絶対に見てはいけない、最悪のクリスマス映画はコレだ!
■ねじ曲がった教育の結果…
それから10年後、ビリーは18歳の時に孤児院を出て、院長に紹介されたオモチャ屋に就職する。店で幼女が無邪気に膝の上へと乗っかってくるのを性行為とみなし(!!)、「君がやっている事はとても悪い事だ。悪い子にはオモチャじゃなくて重い罰を与えるよ」とドスを効かせて泣かすなどしながらなんとか働く。
だが、クリスマスシーズンが訪れると、大嫌いなサンタの格好をさせられてしまう。過去のトラウマから苦悩するビリー。なんとか役目を終えるも、閉店後2人の店員男女が裏の倉庫でエッチし始めるのを覗いてしまう。ビリーは、女のオッパイを見て院長の“教育”がフラッシュバック。「制裁だ!」と飾り付けの電飾コードを男の首に巻き付けて絞首刑。「クレイジー」と言う女も「制裁だ!」と刺殺。騒ぎを聞き付けてきた店長も奥さんも皆殺しにする。
サンタ姿のまま斧を持って町に出たビリーは、セックスしたカップルや下級生をイジメる上級生を「制裁」して回り、自分がこうなったのも院長のせいだと、仕返しするため孤児院へと向かう。
そして孤児院にサンタが現れたのだが、警戒中の警官に射殺される。これで一安心かと思いきや、なんとそのサンタは、パーティーのためにコスプレした孤児院で働く耳の不自由な用務員さんだったのだ。誤射した警官はなんの罰も受けず、全く悪びれないまま見張りを続けるが、潜んでいたビリーに「制裁だ!」と斧をドテッ腹に受けて即死。その後、ビリーは院長に向かい、斧を振り被った瞬間、駆け付けた刑事に射殺されてしまう。ラストは目の前で兄を殺された幼いリッキーが院長を睨んで「ゲス野郎」と言って、完。
■波紋を呼ぶも…
過去にアメリカでは1980年の『サンタが殺しにやってくる』という類似作品が存在し、その頃は世間の認知度が低かったのか、別段問題は起きなかった。だが、この作品は公開前の宣伝期間から、全米のキリスト教団体やPTAによって「不謹慎」と公開中止を求められ、劇場にも抗議集団が押し掛けるなど物議を醸した。映画評論家からも辛辣な批判を浴び、宣伝はストップ。結局数州で上映が見送られる事態となったのだ。
そして、1986年にビリーが扮するサンタクロースが武器を持つシーンのアップを削除して再上映されたという。またイギリスでは全英映像等級審査機構により、公開もビデオ販売も却下された。配給会社が不適切な箇所をカットして「18歳未満視聴禁止」の許可を取得して、ようやくDVDが発売できたのは、2009年になってからのことだった。
だが結局、この騒動のおかげで、皮肉にも作品は知名度を上げ、今度は弟リッキーが院長を狙う続編が作られた。こちらはシリーズが5作品も続く人気作となり、リメイク作品も制作された。
『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』
原題『Silent Night, Deadly Night』
1984年公開 アメリカ
監督/チャールズ・E・セリアー・JR
出演/リリアン・ショーヴァン、ロバート・ブライアン・ウィルソンほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊良い子は絶対に見てはいけない、最悪のクリスマス映画はコレだ!のページです。殺人鬼、サンタクロースなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで