本物の魔女が語る「魔女の実体」 ― 魔女になるためには!?
■魔女になるには?
魔女になるために、特別な学校に行く必要もなければ、特定の団体に所属する必要もない。『ハリー・ポッター』に代表される魔術・オカルト大国、イギリスには、「魔女協会」や「魔術学校」なるものが存在するようだが、そもそも前述の“第三の目”や“念の力”は誰しもが持っている力であるため、講師の元で長年の修行を重ねずとも、勘が良い女性であれば明日からでもなれるのだ。
ちなみに筆者の場合、母方がポーランドの魔女の家系、父方の先祖にはアイヌのシャーマンがいたという遺伝的要因もあり、物心ついた頃から、学校の勉強よりも魔術に関心を抱いていた。そのため、自身がいつ魔女に目覚めたのかはっきりとは覚えていない。このように、家系からくる遺伝的要因がきっかけで魔女に目覚めるケースもあるが、要するに魔女になるには、こめかみの辺りにある霊感を掌る「第三の目」と「チャクラ」(気の出入口)を開花させればよい。
これは、瞑想して自らの雑念を祓ったり、パワースポットに行くことで開花しやすくなる。また、霊能力が強い人間に遭うことで突然開花することもある。しつこいようだが、誰でも“第三の目”や“念の力”を持つ。しかし、現代は地がコンクリートで、空が高層ビルで遮断されているが故に、守護霊や自然霊魂の声が聞きとりにくくなり、その結果、開花しないままになっている人間が多いだけの話である。もし魔女になりたい方がいたら、くれぐれも、高額なツアーやボッタクリ霊能者には騙されないよう注意いただきたい。
■現代の魔女を取り巻く状況
さて、日本ではどちらかと言えば怖いイメージを抱かれる魔女だが、ポーランドをはじめ、過去に魔女裁判が行われた前述の地域一帯でも、いまだ忌み嫌われることが多い。敬虔なクリスチャンは、キリスト教と異なる価値観(魔女・占い・オカルト等)を許容できないものなのだ。魔女に関するポーランドの言い伝えには、「紐等に身に覚えのない結び目を見つけた時は魔女の呪いが原因である」「晴れているのに雨が降っているときは、魔女がバターをつくっている」等、論理の飛躍が甚だしいものまである。
2003年、ポーランド南部のクラクフ郊外で、隣人に魔女(魔男)の嫌疑をかけられた男性が、名誉棄損であると訴えた事件があった。隣人が、「彼から牛を買ったその日から、悪いことばかりおきる。彼が魔術をかけたに違いない」とあちらこちらで言いふらしたのが原因だそうだ。悪いことの内容はと言えば、牛乳が出ない等の些細なことだったらしいが、ポーランドの多くの地域では、牛が乳を出さないのは「魔女(魔男)に魔術をかけられたため」という昔からの迷信があり、特に年配のポーランド人の多くが今も信仰している。「魔男」が被告ではなく、原告の立場だったという点は現代的であるとも考えられるが、いずれにしても、魔女を取り巻く現状は、今の時代に至っても偏見と錯誤に満ちたものであると言わざるを得ない。
今回の記事によって、魔女に関する正しい社会的理解のため、わずかながらでも貢献できれば幸いである。
深月ユリア
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血をひき、魔女占い師・魔女優・オカルトライター・ホラー映画プロデューサーとして国内外で活動。深月事務所代表、TR総合探偵事務所で心霊捜査担当。
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