馬を担いで川を渡るモンゴルの巨人! 伝説の探検家が目撃した“幻の8フィート男”「ウンドゥル・ゴンゴール」とは

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ウンドゥル・ゴンゴール(1922年)|Public Domain(Wikimedia Commons

 かつて、広大なモンゴルの平原に「世界で最も背が高い」と囁かれた伝説の巨人がいた。その名はウンドゥル・ゴンゴール。「背の高いゴンゴール」を意味する名を持つ彼は、20世紀初頭、モンゴルの指導者ボグド・ハーンに仕え、象の飼育係やボディーガードを務めていたという。

 ギネス世界記録(GWR)が2026年に遡って検証した際、候補に挙がったものの、信頼できる科学的測定が不足していたため最終リストから外されたミステリアスな存在だ。

 果たして、彼は本当に「8フィート(約244cm)」もあったのか。それとも、果てしない草原が生んだ「幻」だったのか。その失われた巨人の実像とは。

探検家ロイ・チャップマン・アンドリュースの証言

 この謎を解く唯一の鍵は、映画『インディ・ジョーンズ』のモデルの一人とも言われるアメリカの伝説的探検家、ロイ・チャップマン・アンドリュースの記録にある。彼は1920年代、中央アジアの調査中にゴンゴールと対面していた。

 アンドリュースの著書や記録には、ゴンゴールの写真と共に「nearly eight feet tall(8フィート近く)、体重307ポンド(約140kg)」と記されている。彼自身による測定値は236 cm(7フィート9インチ)が最も信頼できるものだ。

 さらにアンドリュースは、別の著書でゴンゴールの超人的なエピソードを語っている。

「彼は牛のような怪力の持ち主だった。ある時、乗っていた馬が浅い川を渡るのを嫌がると、彼は馬をヒョイと担ぎ上げて川の向こうまで運び、再び跨って去っていったんだ」

 馬を担ぐという描写はあまりにも「盛っている」気がしなくもない。しかし、アンドリュースは1920年代の科学者らしく、あらゆるものを計測したがる男だった。彼の言葉をすべて嘘と切り捨てることもまた、難しいのである。

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ウンドゥル・ゴンゴールとスウェーデン人宣教師フランス・ラーソン 画像は「Sott.net」より

写真から導き出された「不都合な真実」

 しかし、ギネスの調査チームが当時の写真を現代の基準で解析したところ、少し意外な数字が浮かび上がってきた。

 当時のモンゴル人男性の平均身長は、現代よりも低く約159cm程度だったとされる。ギネス世界記録の調査チームが当時の写真を現代基準で解析したところ、隣の男性を約165 cmと仮定して縮尺計算すると、ゴンゴールの身長は約215cm程度と推定された。別の写真では220 cm前後の可能性も示唆されており、当時の大草原で彼を見上げた人々にとっては、まさに「怪物級」の存在だったに違いない。

 220cmといえば、現代のバスケットボール界でも目立つ巨体だ。ましてや、平均身長160cmほどの人々がひしめく100年前のモンゴルの街角を、220cmの巨漢が歩いていたら、それはもう「8フィートの怪物」に見えたとしても不思議ではない。

 日本でも、江戸時代の力士などが実寸以上に大きく記録されることがよくあるが、ゴンゴールの場合も、その圧倒的な存在感と怪力が「8フィート」という伝説を作り上げたのかもしれない。

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画像は「Sott.net」より

草原に消えた「歩哨」の誇り

 アンドリュースの記録によれば、ゴンゴールはその珍しさからアメリカのサーカス団にスカウトされたが、故郷を愛するがゆえに断ったという。彼は見世物小屋のスターになるよりも、ハーンの象を守り、モンゴルの空の下で生きることを選んだのだ。

 一見すると、単なる「身長のサバ読み」事件のように思えるかもしれない。だが、広大な平原に立ち、遠くの地平線を見渡す彼の姿は、まさに部族を守る「歩哨」そのものだったはずだ。

 科学がどれほど冷徹に「220cm」と弾き出そうとも、馬を担ぎ、地平線を跨ぐかのように歩いたゴンゴールの勇姿は、モンゴルの人々の心の中では永遠に「8フィートの巨人」のままなのだろう。

参考:Sott.net、ほか

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