聖書の巨人は実在した!? 大英博物館のパピルスに記された「身長2.4メートルの蛮族」… 3300年前の文書が示唆する“巨人伝説”の真相

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 聖書に描かれている巨人たちは実在したのだろうか。その謎を解く鍵のひとつが大英博物館が所蔵する古代エジプトのパピルスである――。

■聖書の巨人が古代エジプト文書にも登場

 大英博物館が所蔵する古代エジプトのパピルスである「アナスタシ1世(Papyrus Anastasi I)」として知られる3300年前の文書は最近、「Associates for Biblical Research(聖書研究協会)」のサイトで再検証され、聖書の記述との関連の可能性について新たな関心が集まっている。

 このパピルスには身長が「4キュビトまたは5キュビト」、つまり2メートルから2.4メートルほどの身長のシャス(Shasu)族との遭遇の模様が記されている。

「狭い峡谷には灌木の下に隠れたシャス族がはびこっている。シャス族の中には、頭から足まで4キュビト、あるいは5キュビトもある者もおり、顔つきは凶暴で、心は穏やかではなく、なだめても聞き入れない者もいる。あなたは一人です。あなたを助ける者はおらず、あなたの後ろに軍隊はありません」(「アナスタシ1世」)

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画像は「Daily Mail Online」より

 巨人説を支持する人々は、この文書がよく知られたダビデとゴリアテの物語以外にも繰り返し登場する旧約聖書の巨人に関する記述を聖書以外で裏付ける稀な証拠を提供していると述べている。

 このパピルスは戦時中に書かれた手紙の形をしており、敵地や軍事的挑戦の詳細が記されている。

 批評家たちはこの文書は写本業者が別の業者に送った風刺的な指示書であり、地理、軍事戦略、兵站に関する彼の知識の欠如を嘲笑するものだと主張している。

 聖書学者の故マイケル・ハイザー博士は、2メートル以上の身長は超自然的存在の証拠ではなく、今日の背の高い人間と同等であり巨人族ではないだろうと指摘している。

 巨人説の支持者は、この「アナスタシ1世」パピルスが聖書以外で巨人が存在した可能性のある証拠を提供していると主張している。またこのパピルスはおそらく紀元前13世紀頃のエジプト新王国時代のものであり、巨人族との出会いの歴史的背景を提供しているとの主張もあるようだ。

 パピルスのいくつかの箇所では、例外的に大きな人種や部族全体について描写されており、その中にはイスラエル人を怖がらせたと言われる人々もいた。

 一方、旧約聖書「民数記」13章33節ではイスラエル人が旅の途中で巨人たちに遭遇した様子を次のように描写している。

「そこで私たちは、巨人族の子孫であるアナクの息子である巨人たちを見た。私たちは(客観的には)イナゴのように見え、彼らにもそのように見えた」(「民数記」)

 聖書研究協会は この一節を、カナン人であった可能性のあるシャス族が並外れた長身であったことの証拠として焦点を当てている。はたしてパピルスと聖書に同じ巨人族の存在が共有されていたのだろうか。

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エジプト人がシャスーのスパイを殴打している様子(カデシュの戦いの壁画の一部) Public Domain, Link

 さらなる主張としては、紀元前1274年頃の「カデシュの戦い」を描いた壁画が挙げられ、捕らえられたシャス族のスパイが異常に大きく描かれている。

 しかしほかの専門家は、シャス族は歴史家の間ではレバントの遊牧民であったと広く理解されており、このパピルスは超自然的な巨人についての文字通りの主張ではなく、軍事的な観察を描写しているに過ぎない可能性があると指摘している。

 懐疑論者は依然として納得しておらず、巨人の遺骨や巨大な住居跡といった考古学的証拠が存在しないことを挙げている。

 大英博物館はこのパピルスを軍隊生活と地理認識を示す歴史的文書と説明し、超自然的な巨人との関連には触れていない。現存する証拠は碑文の内容のみであり、巨人族の存在を裏付ける物的証拠は存在していない。

 はたしてこの「アナスタシ1世」が古代エジプトと旧約聖書に共通する巨人族の存在を示す文献的根拠となり得るのか。今後の研究の進展に期待したい。

参考:「Daily Mail」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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