地面に空いた深さ約4mの穴、そこには「謎の文字が刻まれた宇宙服の遺体」が…… 1963年ブラジルの金属球体UFO、機密ファイルが暴いた顛末

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 1963年11月、ブラジル・バイーア州の小さな町に、突如として世界の注目が集まった。空から巨大な金属球体が落下し、深さ約4mの穴を穿ったというのだ。

 球体の内部には窓があり、解読不能な文字が刻まれた厚手の衣服をまとった人体が横たわっていたと伝えられた。

 この奇怪な一報を受け、米国務省・国防総省・NASAまでもが動き出す。トランプ政権下で今回公開された第5弾のUFO機密ファイルには、当時の6日間にわたる極秘調査の一部始終が記録されていた。

ラジオ局が伝えた「金属球体と遺体」の一報

 事の発端は、1963年11月8日深夜にリオデジャネイロのラジオ・トゥピ局がポルトガル語で放送した速報だった。

 米政府が作成した放送内容の記録によれば、バイーア州コンデの町の中心部に巨大な金属球体が落下し、内部には判読できない刻印の入った厚手の衣服をまとった人体があったという。

 放送は住民の関心と地元当局への通報には触れる一方、写真や目撃者の氏名、物的証拠には一切言及していなかった。この時点で、情報の出どころはすでに極めて曖昧だった。

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画像は「Daily Mail」より
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画像は「Daily Mail」より

米政府機関を巻き込んだ6日間の確認作業

 一報から6日後の11月14日、リオデジャネイロの米大使館は国務省とサルバドル駐在の米領事館に電報を送り、事実確認を求めた。

 大使館側はこの物体を「大型の有人金属気球」、内部の存在を「謎めいた記章のついた制服または宇宙服姿の死亡した乗員」と表現していたという。

 同じ頃、現場上空を飛ぶ物体が目撃され、気象観測用の気球ではとも見られていたが、機体は回収されていないと電報は明記していた。依頼はその日のうちに国防総省とNASAにも回付されている。

「リオで作られた話」——現地調査が導いた結末

 11月20日、サルバドルの現地調査の結果を伝える最後の外交公電が届き、この驚くべき話は一気に崩れ去った。

 サルバドル駐在の米領事ハロルド・ミドキフ氏は、この一件がリオデジャネイロで作り上げられた話のようだと本国へ報告した。新聞記者らがコンデに殺到したが、物体の落下を実際に見た人物は一人も見つからなかったという。

 現地の治安担当責任者は気象気球の可能性を口にしたが、その裏付けも取れなかった。ミドキフ氏が添えた現地紙2本のうち一方はブラジル航空省による「断固たる」否定を報じ、もう一方の見出しは皮肉にも「そこにはいなかった飛行船」だった。

 なお公電によれば、この騒動で唯一確実だった成果は、ある記者が連邦電信局の旧式モールス通信機で現地から記事を送信できたことだけだったという。

 遺体の噂が誰の発案でどう放送に乗ったのかは公開文書からも分からない。最終記録には発生年を「1964年11月」と誤記した形跡もあり、調査の急ごしらえぶりをうかがわせる。

機密解除は「墜落の証明」を意味しない

 今回の文書公開は、米政府が過去にこの話を検討したという事実を示すものであって、宇宙船の墜落や乗員の回収を裏付けるものでは決してない。

 記録が物語るのは、一晩のラジオ放送から始まった噂が外交ルートを通じた正式な調査へと発展し、最終的には目撃者も物的証拠も見つからないまま幕を閉じたという経緯そのものだ。

 半世紀以上前にコンデの町を騒がせた「宇宙飛行士の遺体」が本当に存在したのか、それとも深夜放送が生んだ幻だったのか——機密ファイルはその答えを教えてはくれない。だが、たった一つの未検証の噂に米政府の中枢が本気で動いた事実だけは、記録として確かに残っている。

参考:Daily Mail、ほか

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