【3.11震災から4年】いま考える、生き延びた人の“5つの共通点”とは!?

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 2011年3月11日に発生した東日本大震災から、4年が過ぎようとしている。M9.0の巨大地震と、それに伴う大津波による犠牲者は15,800人を上回り、死因の90%ほどが津波による水死と圧倒的に多く、地震による圧死・損傷死は約4.2%、火災による焼死は約1%だった。この未曾有の大災害から命を取り留めた人々の体験談を読むと、いくつかの重要なポイントが浮かび上がってくる。改めて震災への備えを確認し、“その時”に取るべき行動を考える意味でも、今回はそれらをまとめて紹介することにしたい。


■釜石の奇跡

 東日本大震災で多くの人々が津波の難を免れた事例として、有名なものに「釜石の奇跡」がある。釜石市では、岩手県の市町村の中で2番目に多い、約1,000人もの犠牲者が出てしまった。しかし、市内全小中学校の児童生徒のうち、実に99.8%にあたる2,921人が津波から逃れることができたのだ。(それでも5人の児童と1人の学校職員が犠牲になった事実があり、「奇跡」と賞賛されることをつらく感じるという遺族の気持ちを考慮し、公式の場では「奇跡」の言葉を使用しないことが取り決められている)

 この出来事が“奇跡”と表現されることについて、学校関係者は以前から違和感を覚えていたようだ。市教育委員会は「常識ではあり得ないことが起きたわけではなく、訓練や防災教育の成果。実践した子供たち自身が奇跡の意味は違うと感じていた」(河北新報オンラインニュース、2015年1月31日)と語る。つまりこれは、日頃の訓練や防災教育の成果だったということだ。釜石市の子どもたちは、幼稚園や保育園の頃から津波発生に備えた防災教育を受けていたのだ。

「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹氏は、かつて釜石小学校を訪問して知った事実として、大震災発生時にはほとんどの生徒が下校していたと指摘した上で、「子供たちは『地震と同時に逃げるというスイッチが入った』と言ってました」(産経ニュースWEST、2013年3月12日)と語る。教師から逃げろと指示されたからではなく、子どもたちは自主的に避難したということだ。

■野田市の「奇跡の脱出」

 次もまた「奇跡」に関連する話になるが、今年1月に『はなちゃんの はやあるき はやあるき』(著者:宇部京子、イラスト:菅野博子、岩崎書店)という絵本が出版された。これは大震災の際に、岩手県野田市の海岸から500mほどのところに位置する野田村保育所に通う園児90人と職員14人の全員が無事だったというエピソードを、ある職員の義姉である詩人・宇部京子氏が聞き、絵本にまとめたものだ。

 地震が起きたのは、ちょうど昼寝の後のおやつの時間だったが、強い揺れが収まるとすぐに、園児と職員たちは毎月実施していた訓練通りに避難を開始した。保育士は0歳児を背負い、小さい子どもを大型の手押し車に乗せ、大きな子どもたちは自分で歩いて、約1km離れた高台へと避難した。誰ひとりとして泣き出す子はおらず、黙々と避難したという。

 しかし、この事例が「奇跡」と呼ばれるようになったのは、別の理由もあった。ちょうど大震災の当日、午後3時から避難訓練が予定されていたために、日課の昼寝を早めに切り上げ、職員が子どもたちにオーバーを着せるなど外出の準備をしていたその時、大地震が発生したのだ。そのため、30分後には保育所の建物が跡形もなく津波に呑み込まれたにもかかわらず、全員無事に避難することができた。

 このような偶然は、もう二度と起こらないかもしれないが、日頃の訓練がいかに大切なものであるかを物語る出来事と言えるだろう。この地域は、過去に何度も大きな津波の被害に襲われていて、2006年に発表されたハザードマップで、保育所が津波の浸水予想区域に入っていたことから、定期的な避難訓練が加速されたという。


■予言を信じて助かった人

 東日本大震災を予言していたとされる世見者(予言者)の松原照子氏は、震災の1カ月ほど前(2011年2月16日)、自分のブログ『幸福への近道』に「陸前高田」「釜石」などの地名とともに、大震災を予感させる記事を綴っていた。「『陸前高田』と云う地名が声にならない会話を 自分にしています」、(地図を用いて)「指で感じ取ろうとしたが 期待ほど感じなかったが 釜石辺りが赤く見えた」(松原照子ブログ『幸福への近道』より)といった内容だ。

 松原氏のブログを常日頃から愛読していた筆者の知り合いは、この記事を目にしており、地名入りで指摘された地区付近に住む肉親に、地震に気をつけるよう伝えていた。それを聞いた本人は、実際に防災意識を高めていたという。そのため、震災当日は自宅まで津波が押し寄せたが、家族全員が無事に避難することができた。

 超常的な予言の類いは、人によって信じる・信じないがあるだろう。だが事実として、このように人の命を助けられる予言もあるのだ。他にもネット上には、「宏観現象」と呼ばれる様々な地震の前兆現象が報告されており、これらに注意を払うことも、自分や周囲の人々の命を助けることに繋がるだろう。

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