近い将来米軍はドローンをどう使うのか? “戦場を喰い尽くす”衝撃の「LOCUST構想」が明らかに!!

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 技術の進歩と低価格化により、ドローン(無人航空機)が普及しつつある。その用途も、いまや空撮のみならず監視や運搬、さらには災害救助まで、様々な分野へと広がりを見せており、私たちの生活をより便利にしてくれる存在として期待されているのだ。しかし、「戦争は発明の母」という言葉もあるように、ドローンの研究・開発もまた、本来は軍事目的で始まったものである。アメリカ軍は、すでに100年近く前から運用していたとの指摘もあるほどだ。ドローンの最先端技術と未来を知るためには、何よりも軍事研究に注目しなければならない。

 そして今月14日、アメリカ海軍が最新のドローン技術に関して実に興味深い発表を行った。未来の戦場におけるドローン活用法とは、一体どのようなものなのか? 詳細についてお伝えしよう。


■ドローンを大量発生させる装置!?

 アメリカ海軍研究局(ONR)が公開した資料によると、未来の軍事ドローンシステムの名は「LOCUST(イナゴ)」。これは「Low-Cost UAV Swarming Technology」、すなわち「低コストでドローンを大量発生させる技術」の頭文字をとったものである。

 その名の通りLOCUSTは、軽量かつ高性能な使い捨てドローンを、戦場の最前線に向けて大量に打ち上げるシステムだ。外観は迎撃ミサイルの発射装置のようだが、その筒部分には、翼とプロペラが折り畳まれたドローン(名称:コヨーテ)が装填されている。

 いざLOCUSTが作動すれば、まるで農作物を食い荒らすイナゴが大量発生するかのように、コヨーテの大群(最大30機)が発射されることになる。飛び出したコヨーテは、すぐさま飛行体勢に変形し、自律的に目的地へと直行。自ら攻撃を加えたり、敵を照らし続けて逃げ場所を封じる、さらには戦艦から発射されたミサイルを誘導するなど、様々なミッションをこなすという。

 ちなみに、重量6kgにも満たないコヨーテの駆動時間は1時間程度だが、最高速度は時速約140kmになると想定されている。また、自動航行中も常に人間がモニタリングし、動作をコントロールすることが可能になるようだ。

■数々のメリットとは!?

 アメリカ海軍研究局の発表によると、開発を指揮した研究者は「このレベルで自律的に航行するドローンの大群など、今まで存在しなかった」と自信を見せている模様。今回の軍事ドローンシステムによって、戦場の兵士が晒される数々の障害やリスクが減るとともに、彼らがより高度で複雑な任務に専念できるようになる上、「敵側も、戦場の空を舞う無数のドローンへの対処に追われることになる」と期待されている。さらに、1機の戦闘機にかける資金で、数100機のドローンが調達可能であるなど、コスト面でのメリットもあるようだ。

 今回の軍事ドローンシステムの試験は、先月から今月初頭にかけて実施された。今後のさらなる研究を経て、来年には実証実験もスタートする計画だという。戦場がどんどんハイテク化する流れは、今後さらに加速していくだろう。何よりも戦争自体がなくなることが理想だが、このような傾向によって、まずは戦争の短期化や市民の犠牲を減らすことにつながるだろうか?
(編集部)

参考:「ONR」、「POPULAR SCIENCE」、ほか

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