生きた“頭部だけの犬”?冷戦下で研究されていた“サイボーグ犬”開発プロジェクトとは?=ロシア

 1950年代の終りから1960年代の初頭にかけて、旧ソビエト連邦では“名犬ラッシー”でなじみ深いコリー犬を使ったサイボーグ兵器の開発が密かに進められていたというから驚きだ。

■米ソ冷戦下で“サイボーグ犬”の開発が行なわれていた!?

 2011年にロシアのソーシャルネットワーク「Stepashka」になんとも奇妙な“サイボーグ犬”をスケッチした印刷物の画像が投稿されたことで、広く世に知られるようになった。

 この古い書籍の挿絵は、頭部がコリー犬のロボット(まるで「機動戦士ガンダム」の“ズゴック”!?)や、コリー犬の頭部が大きな機器に繋がっている図などが描かれており、出版された年代を彷彿させるレトロな筆致だが確かに“サイボーグ犬”と呼べるだろう。

生きた頭部だけの犬?冷戦下で研究されていたサイボーグ犬開発プロジェクトとは?=ロシアの画像1画像は「YouTube」より

 当時この話題をいち早く取り上げた「The Atlantic」によれば、この“サイボーグ犬”のスケッチは1970年代にソ連で出版された学術書籍の一部分であるということだ。また「YouTube」掲載のスクリプトによれば、米ソ冷戦下の1958年にソ連のこのサイボーグ開発プロジェクトがはじまり、犬をはじめネズミなどを使ったサイボーグ開発実験が行なわれていたという。最終的には人間への応用を目指しており、猿を使った実験も考えられていたというが、当面は猿より懐きやすく穏やかな性格の犬が用いられたということだ。

 このスケッチに描かれた“サイボーグ犬”を開発するプロジェクトは「ザ・コリー(The Kollie)」と呼ばれ、10年間もの間開発が進められていたが1969年に開発が中止。以来この情報は極秘として扱われてきたが、1991年のソ連崩壊に伴いこの「ザ・コリー」計画の情報も公開されたという。歴史的な辻褄にも合い、なかなか夢のある壮大な話だが……。

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