【カメラ窃盗】競泳・冨田選手は冤罪なのか? 「リバース・スピーチ(発言の逆再生)」で衝撃の結果が…!

■衝撃のリバース・スピーチ

1.

 冨田被告は、警察側ではなく、被害者の韓国人記者側が用意した合意書にサインしている。 その合意書は、窃盗を認める内容を韓国語で記していて、その後、警察に提出されたものである。 この点について、記者は「なぜ、被害者の記者に対して罪を認める合意書にサインしたのか?」 との問いを発している。

 これに対して、冨田被告は、「僕はその文章をハッキリ見せられた訳ではなかったので」

 http://www.keimizumori.com/reversespeech/sounds/tomita-naiyowakaran-f.mp3(クリックすると音声が聞こえます)

 と答えている。

 この部分を逆再生してみると、

 【えっ、そんな内容、わからんうちに】

http://www.keimizumori.com/reversespeech/sounds/tomita-naiyowakaran-r.mp3

 と現れる。

解説 これは、本人側の説明通りの内容である。


2.

「韓国の警察にはめられたと思っているのか?」という記者の質問に対しては、
「その合意書というのは、韓国の警察が作った訳ではないので」

http://www.keimizumori.com/reversespeech/sounds/tomita-muneharimasu-f.mp3

 と答えていて、警察にはめられたのではないことを冷静に判断している(合意書を作ったのは被害者の韓国人記者である)。

 この部分を逆再生してみると、

【ええ、胸張ります】

http://www.keimizumori.com/reversespeech/sounds/tomita-muneharimasu-r.mp3

 と現れる。

解説 自分はやましいことをしていないので、胸を張れるということだと思われる。


3.

 また、「次の日、みんなと同じ飛行機に乗れるからと言われて、認めたにもかかわらず、次の日に出国もできず」

http://www.keimizumori.com/reversespeech/sounds/tomita-omotemuki-f.mp3

 とも答えているが、その部分を逆再生してみると、

【表向き、えっ、それを言ったのしめるのに、飛行機一緒に乗ったんにみえるし】

http://www.keimizumori.com/reversespeech/sounds/tomita-omotemuki-r.mp3

 と現れてくる。

解説 これには不明瞭な個所が含まれるが、内容をおおまかに捉えれば、 表向き犯行を認めれば、ほかの選手たちと一緒に帰国できるはずだった……と言いたかったものと思われる。


4.

 そして、核心部分の発言である。

 「真実は違って、僕はやってないということを言いたいです」

http://www.keimizumori.com/reversespeech/sounds/tomita-camerawotottenai-f.mp3

 と冨田選手は答えている。この部分の逆再生に関しては、アクセントが崩れていて、リバース・スピーチとしてのクオリティーはあまり優れず、 内容を100%保障できるものではないと認めざるをえない。 だが、極めて興味深いものであった。

【とりあえず、僕にはカメラをとってない】

http://www.keimizumori.com/reversespeech/sounds/tomita-camerawotottenai-r.mp3


 以上に紹介したもの以外にもいくつかリバース・スピーチは現れており、やや気になるものもあったが、全体を通じて、冨田被告の発言には表と裏で相違はほとんどみられなかった。つまり、ありのままを喋っていた可能性が高いと考えられるのだ。

 通常、このようなリバース・スピーチが現れる場合、発言者は無実である。だが、珍しいケースではあるが、本人が無自覚でカメラをとってしまった可能性も捨てきれない。この場合、もちろん本人はカメラを自分のものとして利用したいとか、売って現金化したいといった計画性のあるものではなく、無意識で行ってしまいながらも、自分ではそれをまったく自覚していない異例なケースである(同大会において、冨田被告は予選落ちしていたので、当時、精神的に落ち込み、不安定な状態にあったかもしれない)。そんな場合、自分は無実だと信じているので、このようなリバース・スピーチが現れたとしても矛盾はないだろう。もちろん、これは稀なケースである。

 ここで、冨田被告の人物像を眺めてみると、STAP細胞論文の小保方晴子氏のケースと似て、 常識的な感覚から少々外れた感覚の持ち主だった可能性も考えられる。 それゆえに記者たちに反感を招いただけでなく、世論すら敵に回してしまった側面もあったかもしれない。

 あらためて振り返ってみると、冨田被告にとっては不利な要素がほかにもあった。例えば、一度罪を認めてからそれを翻したこと、そして、映像が不鮮明であるにも関わらずJOCのスタッフが監視カメラに映っていた人物を冨田被告だと認めてしまっていたことがある。

 だが、前者は、自身の言動や行動に対して無頓着な「不思議ちゃん」の傾向が冨田被告に認められることで生み出されてしまった可能性も考えられる。さらに、JOCスタッフの判断も、そんな冨田被告の様子を見てきたことが遠因になったのではないか?

 もちろん、仮に今後控訴し、無罪判決が下ることがあるとしても、冨田被告のこれまでの言動や行動に納得を与えられるものではなく、疑問は多々残される。だが、冨田被告の心理をリバース・スピーチで分析すれば、どうしても説明がつかず、冤罪の可能性が見え隠れするのである。

 因みに、オーツ氏は、これまで無実でありながらも有罪判決が下されたケース(冤罪)だけでなく、 逆に無罪判決が下りながらもリバース・スピーチにおいて犯行を自供していたケースなどを暴いてきた。それがゆえに、自宅を放火されるなと、繰り返し命を狙われてきた。

 リバース・スピーチは確率6割程度のポリグラフ(嘘発見器)と比較したら、ほぼ正確にウソを暴き出す。 我々はリバース・スピーチを前にしたら自身を含めて丸裸同然である。 そのことから、すべての人々に対して寛大にならねばならないという課題に我々は直面する。 他にもさまざまな事例があるので、記者会見などの公開音源に限定して、また機会をみて紹介していくことにしたい。
(ケイ・ミズモリ=サイエンスライター)

水守啓(ケイ・ミズモリ)
主に自然界の神秘現象を探究するサイエンスライター、リバース・スピーチ分析家。著書に『超不都合な科学的真実』(徳間書店)、『底なしの闇の癌ビジネス』(ヒカルランド)、『リバース・スピーチ』(学研パブリッシング)など多数ある。

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