【2016年】巨大原発事故で首都移転、東日本が無人地帯に?戦慄の近未来予知夢とは?

 まずは各貯蔵プールにある燃料棒の数だ。1号機は292本、2号機は587本、3号機は514本という回答だった。また、通常の冷却水ポンプとは別に、臨時に注水を行える仕組みがあり、そのための貯水ダムも有しているとのことだった。

 このように、基本的には、こちらの質問に対して丁寧な受け答えだった。

 ただ、私はそれでも懸念が拭えなかった。貯蔵プールは、大雑把にいえば、縦・横・深さが十数メートルほどある巨大なものだ。今言ったように、大地震でプール自体が壊れてしまえば、いくら水を追加しても「穴の開いたバケツ」同然だ。おそらく、注水方式では「漏水」程度ならともかく、一挙に水が消失してしまうケースには対応できない。だから「注水」という発想からいったん離れる必要がある。私はふと、福島原発事故の時、必死で「雨乞い」をしたことを思い出した。こんな場合、むしろ上からまんべんなく水をかける形のほうが、冷却効果が高いのではないか。そこで私は「独立系統の緊急冷却用シャワー(ないしスプリンクラー)」というものを考えた。これをプールの上部に取り付ける。水シャワーが降り注いでいる間は、いくら水が抜けようが、とりあえず燃料棒はオーバーヒートしない。その間に、プールの修理や、燃料集合体の移送を行えばいいのだ。

 というわけで、この装置の設置を、東電の窓口をした方に提案しておいた。一応は「上に報告して検討します」との回答だったが、これはやはり儀礼だろう。しかし、私に続いて同じ提案をする人が何十人と現れれば、東電も重い腰を挙げるかもしれない。

 また、東電への提案後に気づいたのだが、よく考えてみれば、既存の注水システムを少し改装するだけで済みそうだ。燃料集合体の上にまんべんなく水がかかるようシャワーヘッドを取り付けて、バルブの切り替えで、そこへ既存システムから水が行くようにすればいいのである。つまり、枝系統を付け足すだけだ。むろん、クレーンを使った燃料集合体の移送作業の邪魔にならないような形で(又は邪魔な管はそのつど撤去すればいい)。おそらく、この程度の設備の追加には、1億円も掛からないはずだ。その程度の金を惜しんだあまり、東日本が立ち入り禁止区域になったとすれば、これ以上愚かな話はない。

 やはり声を上げることが重要だ。私は「シャワー式冷却システムの追加」程度しか思い浮かばなかったが、もっといいアイデアのある人は、それを東電に提案してほしい。

 予知夢の警告だろうが何だろうが、事故を防ぐための対策なら、いくら取ったところで、やり過ぎということはない。要は、より安全になるなら、何であれ奇貨として利用すればよいのではないか。ともあれ、私はもう二度と「想定外」という言葉は聞きたくない
(文=山田高明)

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一般の学問外に位置するスピ系・聖書預言・影の政府と陰謀論・エイリアン問題などの「超常分野」に詳しい。その種のオカルト知識と現実の政治・経済・歴史の知識を併せ、世界の秘密に迫ろうとしている。かつてはオカルト批判派だったが、今では2020年代・30年代の人類史的危機に警鐘を鳴らす側に回った。その一端を記した近著『神々のアジェンダ』(サイゾー刊)が話題になる。現在、ブログフリー座は月間30万アクセス程。その他新世界よりも好評運営中。

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