青い天使!? グロ美しい海洋生物「アオミノウミウシ」!!
地球表面の約7割は、母なる海で覆われている。しかし私たちは、まだ海全体のごく一部しか目にしていないと考えられている。人類にとって海は、依然として謎と神秘に満ちた場所なのだ。今回は、思わず心を奪われてしまう不思議な美しさをたたえた海洋生物を紹介しよう。まずは動画をご覧いただきたい。
浜辺の砂に鎮座する奇妙な物体。そのフォルムは、まるで銀細工のようだ。しかしこれは誰かの落し物などではなく、れっきとした海洋生物。ウミウシの一種で、名前を「アオミノウミウシ(Glaucus atlanticus)」という。「海のツバメ(Sea Swallow)」や「青い天使(Blue Angel)」との異名を持つほど優美な見た目だが、その生き様は硬派そのものだ。
というのも、アオミノウミウシの大好物は、以前トカナでも紹介したあの猛毒クラゲ「カツオノカンムリ」なのだ。魚を瞬殺するカツオノカンムリの触手に、ためらうことなく齧り付く姿は武闘派そのもの。しかも彼らは、いざとなれば共食いすることも厭わない。
主に熱帯の海に生息するアオミノウミウシは、体内に蓄えた空気を浮力とし、海面付近を泳ぎながら餌を探している。体長は最大でも50mm程度という小さな生物だが、命をつなぐため毎日数千個の卵を産み続ける。
海岸に打ち上げられたアオミノウミウシがウネウネと動く様子は、美しくもグロテスク。国内では八丈島などで見ることができるが、彼らはカツオノカンムリなどから取り込んだ毒(刺胞)を翼のような鰓突起の先端部分に貯蔵しているため、見かけても無闇に触れないようにしよう。
(編集部)
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