17世紀に描かれた「スイカの絵」の見た目が現代と違いすぎる! 不気味で奇妙な見た目だった?

 昔の絵画は当時の風習や文化、人々の様子を窺い知ることができる貴重な資料である――。現代に暮らす我々にとっては、感心したり驚いたりすることばかりだが、最近は17世紀のルネッサンス時代に描かれたとされる、1枚の絵画が人々の注目を集めているという。


■今は亡き1600年代のスイカが絵画に

17世紀に描かれた「スイカの絵」の見た目が現代と違いすぎる! 不気味で奇妙な見た目だった?の画像1画像は「Kottke」より

 1600年代に活躍したイタリア人画家ジョバンニ・スタンキ(Giovanni Stnchi)によって描かれた果物の数々。桃や西洋梨に交じり、何やらひとつ正体不明の謎の食べ物がある。

 実はこれは当時のスイカなのである。そう聞けば「なるほど」と言う気もするが、なにやらちょっと不気味で不思議な様子だ。

 米・ウィスコンシン大学の園芸学者であるジェームズ・ニンハウシュ教授によると、果物や野菜は我々人間の好みに合う様に、時代と共に品種改良が進んでいった背景があり、野菜の品種を数百年も保存することは困難であることから、こういった当時の姿に触れることは非常に参考になるという。教授は、スタンキの絵画をしばしば授業にも取り入れているそうだ。

 ちなみにジョバンニ・スタンキは日本ではあまり馴染みのない画家であるが、17世紀イタリアの自然主義の画家で、果物と花のコンビネーションを題材として良く描いていたという。今回の絵は98cm×133.5cmの大きさのもので、去年1月に行われたクリスティーズ(サザビーズと並ぶ世界最大規模の)オークションでは、スタンキの同サイズのもう一つの絵画とセットで12万5,000ドル(約1,560万円)で落札されている。

■17世紀のスイカは糖度が高くワインも作られていた 

 今回話題となっているスイカは、元々アフリカが原産地であったが、同じく暖かい気候である中東や南ヨーロッパでも栽培されるようになったという。1600年前後にはヨーロッパの市場にも出回るようになっていたようである。

 教授は当時のスイカは糖度が高く、味が良かったと推測している。見た目こそ現代と異なるが、生で食べられたほか、発酵させてワインにもしていたそうだ。時代を経てスイカは現代のような、より明るい赤色に、そして果肉は種を実らせるようみずみずしく、さらにはリコピンを多く含むように改良されていったのだという。

 また、品種改良の歴史は科学の歴史とも言える。そういえば、いつの間にか種無しスイカや実が黄色のスイカなども珍しくなくなってしまった。 インタビューに応じた教授は、これを若干苦々しく思っている様子。もしかしたら現在認識されている果物や野菜の姿も、中世のスイカの様に数百年後には全く異なる外見や味になっているかもしれない。
(文=Maria Rosa.S)

参考:「Vox」、「Colossal」ほか

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