まるで生きているみたい! 1万2,000年前の「子犬のミイラ」が永久凍土で発見される=シベリア

 考古学史上、ミイラ化しているものとしてはおそらく最も古いであろう、1匹の子犬が先月、シベリアで発見された。


■シベリアの永久凍土から1万2,000年前の子犬のミイラを発掘

まるで生きているみたい! 1万2,000年前の「子犬のミイラ」が永久凍土で発見される=シベリアの画像1Siberian Times」の記事より

 ミイラ化した子犬が発見された場所は、ロシア北部にあるサハ共和国(別名ヤクーチア)のSyalakh川付近。ちなみにサハ共和国の土壌は全て永久凍土で、面積の40%は北極圏に含まれている。

 生存していた時期はなんと1万2,000年以上前とのことだが、永久凍土層で見つけられたこの子犬は、体に泥がこびりついているものの、驚くべきことに体毛や鋭い歯、手足の爪までもがリアルに生前の状態のまま残っている。発見時に専門家らは「パーフェクト・コンディション!」と口を揃えたそうだ。

 実は4年前にも別のミイラ化した子犬が発掘されていたのだが、今回の調査では古代の人間がその子犬と共存していたかどうか、ひいてはマンモス狩りのために飼い慣らしていたかどうかを裏づける証拠を求めて遠征していたところ、偶然発見されたのだ。

 今回の子犬は、前回発見された子犬の兄弟ではないかと推測されている。発見場所も4年前のものから2メートルほどしか離れておらず、少なくとも行動をともにしていたものと思われる。

 専門家によれば、犬たちの死因はSyalakh川の急勾配の土手が突如として土砂崩れや地滑りになり、不運にも巻き込まれてしまったのではないか、とのことだ。

 4年前に発見された仔犬はDNA鑑定の結果、オオカミではなく原始的な犬であり、約1万2,400年前のものということが判明している。解剖の結果、胴体の内蔵器官――心臓や肝臓、肺は無傷で、さらに腸や胃の一部もきれいに残っていた。最も注目を集めたのは、胃の内部に1センチほどの小枝が2本見つかったことで、これは土砂崩れに巻き込まれた際に、必死に口で近くにあった植物を掴もうとしたのではないかと考えられているそうだ。

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