ミチオ・カク教授「数十年後には人間のテレポートが可能になる」
■スタートレックのような転送装置ができる可能性はあるのか?
カク教授は、量子レベルから分子レベルへ、そしてさらに大きな物体をテレポートさせていくこと、物質ではなく生物もテレポートできるようになるであろうということは、単なる技術的な問題であり、時間が解決できる問題であるとしている。しかし、原子と人間とは根本的に違うものであるし、原子レベルでの実験の成功が、直接生物を原子レベルに分解し、テレポートさせ、再構築させることの成功を意味するのもではないと指摘する物理学者も多くいる。
物理の世界では、一般的に量子エンタングルメントによる原子のテレポートが生物のテレポートの成功を意味しないものと思われている。再構築された生物が生きているかどうかは、誰にもわからないのである。
人間を構成する細胞の数は約60兆個と言われ、一つの細胞が20万から数百兆個の原子から構成させていることを考えてみよう。人間の体の細胞をすべて原子に分解し、配列を記録し、転送し、元の配列通りに再構築をする。
レスター大学の学生の計算によれば、転送にかかる時間は数穣(10の24乗)年かかるという。地球上のどこへでも、歩いて行ったとしてもその時間の何億何兆分の1以下の時間で行けるであろう。しかも、万が一、その一つの原子にでも転送にエラーが起きたとしたらと考えたり、仮に正しく再構築されたとしても、生きているのかただの肉塊なのか定かではない状態では、人間のテレポート装置には安心して乗ることはできないだろう。
1998年にカリフォルニア工科大学で、初めて光子のテレポート実験が成功した時の距離は1メートルにも満たないものであった。その距離は年々飛躍的に伸びていることも事実ではある。しかし、SF映画のテレポート装置の実現までは、まだ時間がかかるのかもしれない。
(文=高夏五道)
参考:「Express」ほか
【参考記事】
すでに米国には火星へのテレポート技術がある
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2024.10.02 20:00心霊ミチオ・カク教授「数十年後には人間のテレポートが可能になる」のページです。量子論、物理、テレポーテーション、テレポート、高夏五道、ミチオ・カク、超弦論などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで