人類史の解明のヒントか! 280万年前のヒト属新種「ホモ・ナレディ」とは?

 突然だが、ちょっと昔を振り返ってみていただきたい。中学1年の社会・歴史で最初に習った授業は何であったか覚えているだろうか? 人により学習した時代や場所は変われど、ほぼ普遍的なトピック……そう、我々人類の誕生と進化である。


■アウストラロピテクスと現代人の間を埋める「ホモ・ナレディ

 我々ヒト属(ホモ属)はアフリカでおよそ400万年前にアウストラロピテクス属から別属として分化し、いわゆる現代の人間であるホモ・サピエンスは40万~20万年前に現れたようだが、最近になってヒト属の新種 “ホモ・ナレディ” を発見したというニュースが話題になっている。

 場所は南アフリカの世界遺産に登録されている「人類のゆりかご」と呼ばれている人類化石遺跡群の中。

 発見のきっかけとなったのは、2年前に洞窟を探検していた人からの一報だった。岩壁の亀裂の中に人のような骨が見えたそうである。その後発掘されたのは1500本を超える骨の数々……。

人類史の解明のヒントか! 280万年前のヒト属新種「ホモ・ナレディ」とは?の画像1画像は「New York Daily News」より

 見つかった骨は赤ちゃんから老体のものまで様々だが、少なくとも15体分を超えるものだという。骨の保存状態はすこぶる良好で、繊細な内耳の骨でさえ無傷のまま見つかっているそうだ。

 今回の発見を受けて、国際的な学者チームが骨の分析をする運びとなっているが、ホモ・ナレディの特徴として、手や手首、足首など部分的には現代のヒトと酷似しているという。一方で脳はチンパンジー程度と小さく、上半身もアウストラロピテクス側、より猿人に近い形をしており、身長はおよそ150センチ程度。復元された顔は人間と猿人が入り混じった様子である。

 アウストラロピテクスから現代人へと変化していく過程の詳細は未だ解明されていない部分が多く、両者の中間に存在するホモ・ナレディの発見は非常に貴重で重要視されており、専門家らからは人類の複雑なルーツとさらなる研究へのヒントとなることが期待されている。

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