人類史の解明のヒントか! 280万年前のヒト属新種「ホモ・ナレディ」とは?

 また、もともと南アフリカは、アウストラロピテクス始め重要な化石人骨が出土することから数多くの発掘と研究がなされてきたが、今回の発見は入り組んだ洞窟内であるとのこと。

 辿り着くためには高さが25センチを切る非常に狭い空間を這って進んだり、10メートル以上ある岩壁をロッククライミングしたり、最後は極狭な絶壁を垂直に下ったり……といくつもの試練を乗り越えなければならない。

 専門家らはホモ・ナレディたちの死因については不明としながら、洞窟に迷い込んでしまった可能性は低く、骨が故意に運ばれてきた可能性があると指摘しているという。もし発見場所が埋葬地であったと仮定する場合、道中の真っ暗闇をどのように通ってきたのだろうか? 松明の炎などを使用したのではないかと推測されている。

 ロンドン自然史博物館のクリス・ストリンガー教授は、「この深い洞窟で骨が見つかったということは、他の人間に運ばれた可能性を示唆しており、原始的なヒトの種としては驚くべき、高度な行動が出来る事を表しています」と語る。学者らはまだ未発見の新たな種がこういった洞窟内にまだまだ眠っている可能性があるとみているという。

人類史の解明のヒントか! 280万年前のヒト属新種「ホモ・ナレディ」とは?の画像3画像は「New York Daily News」より

 今回発見されたホモ・ナレディの15体の骨格は今月ロンドン自然史博物館のイベントで初公開された後に、11月から同館で新しく開設される専門ギャラリー(human evolution gallery)で永久展示される予定だという。280万年前の、1500を超える骨が並んでいるのは中々圧巻だ。機会があれば何かと世知辛い現代をしばし忘れて、遥か昔の我々の祖先に会いに行ってみてはいかが。
(文=Maria Rosa.S)

参考:「Daily Mail」、「Natural History Museum」ほか

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