【テロ特集】外交官が語った!! 「イスラム国」が“日本攻撃”を呼びかける理由

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「イギリスやフランス、オーストラリアなど、『イスラム国』の空爆に参加している諸国はいろいろありますが、日本やパナマは直接戦闘に参加していません。しかしパナマは、アメリカと良好な関係にある国で、今年1月5日、有志連合への参加を表明しています。日本が名指しされた真の理由は、正直なところ不明です。安保法制と関係があるとする見方もあるようですが、2月の日本人殺害事件での反応を見た『イスラム国』が、さらに揺さぶりをかけている可能性もあります。しかし、よく考えてみれば一部のキリスト教徒やイスラム教徒を除き、日本人の大部分が信じているのは仏教と神道です。これらは『イスラム国』の理解を越えるものであり、彼らにとって日本人はヤジード教徒(クルド人の一部で信じられている民族宗教)と同様に“異端の民”と見なしてしているはずです。とすれば、安保法案の審議があろうとなかろうと、日本は結局敵視されたものと思われます」


■在留邦人が自分の身を守るために必要なこと

 では、ボスニア、マレーシア、インドネシアの3カ国、あるいはそれ以外の国で在留邦人が攻撃された場合、日本の外交団にどの程度期待してよいものなのだろう。

「現地でなにか重大な事件が起きた場合、国や地域によって必要な対応は異なってくるうえ、現地の大使の能力や判断も大きく影響します。実際、4年前の『アラブの春』(アラブ諸国で発生した大規模な大衆抗議運動)の際、エジプトにいた日本の外交団には日本政府のチャーター機が派遣されましたが、ほかの諸国ではこのような措置はとられませんでした。当時、とあるアラブ公館に勤務していた同僚は、『大使の指示でかえって現場が混乱した』とこぼしていましたよ。こうした状況でうつ病を患い、休職を余儀なくされた大使館員もいるのです」

 どうやら在留邦人が自分の身を守るためには、その国に派遣されている大使の品定めも必要らしい。最後に改めて、「イスラム国」の今後の戦略を訊ねてみた。

「『イスラム国』の目的を簡潔に言えば、“浄化”ということだと思います。イスラム教、それも、自分たちが信じる厳格なイスラム教以外の存在を、この世から消し去ろうと考えているのでしょう。彼らは軍事的に劣勢でも、最終的にアッラーの介入を得て目的が実現できると心底信じているのだと思います」

 このような組織に敵として見なされている以上、海外に在留する日本国民は今回の話を念頭に置き、決して注意を怠らないようにしていただきたい。

(櫻井慎太郎)

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