12歳になると少女から男性器が生えてくる村 ― 「ゲヴェドース」と呼ばれる人々の謎!
■ゲヴェドースが起こる不思議なメカニズムとは!?
ゲヴェドースは「5a還元酵素」という酸素が足りずに起こる遺伝性の疾患を指している。通常は妊娠6週目から24週目にかけて、アンドロゲンシャワーと呼ばれる男性ホルモンのシャワーを浴び、胎児は男児になる。
胎児の股間についた小さな突起が妊娠約8週間目頃から男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)によって膨らみ、男性器(ペニス)になっていくのだが、不思議なことにサリナス村の女性たちが生む新生児の多くはそのDHTの量に影響する5a還元酵素が完全に欠落しているのだ。
この新生児は男性器、そして精巣を持たずに生まれるので性別判明の際に女児に間違われることが珍しくない。女児から男児に変わるのはテストステロンが急増する思春期であり、彼らの声が太く低くなるにつれて男性器が大きくなっていくという仕組みのようだ。
サリナス村では約50人に1人の割合でゲヴェドースの子が生まれる。通常は7歳~12歳の間に身体の変化が始まるが、男性となったその後もほんの僅かに成人男性と違いが出てくるそうだ。その特徴はゲヴェドースの多くが薄い体毛(特に頭部)と睾丸が小さいというものなのである。
■ゲヴェドースの苦悩。周囲の反応は…
24歳のジョニーはサリナス村で少女として育った多くの少年の1人だ。幼少期はフェリシタという名前で赤いドレスを着て学校へ通っていたが、ドレスや女の子用のオモチャには関心がなく、少年たちと一緒に遊ぶ事が楽しみだったという。さらにジョニーは7歳の時に男性器が大きくなり始めたが、それが彼にはとても幸せに感じられたとも言う。
また9歳のカーラの母親は、娘が5歳になった時にその身体の変化に気付き、周囲の少年たちもカーラを挑発するようになった。カーラは8歳になると母親に「髪の毛を切りたい」とせがむようになり、9歳になったカーラはピンクのタンクトップを脱ぎ、水色と白のストライプのシャツに着替え、近所の床屋で散髪する。
散髪後のカーラはどことなく逞しく見えるようだ。母親は「カーラが女だろうと男だろうと、変わらず愛します」と優しい笑顔で語る。ちなみにカーラは今後、カルロスと名乗る事になるそうだ。驚くことに、カーラのいとこであるキャサリンは既に少年になってはいるが名前はキャサリンのままだという。この村でゲヴェドースがいかに珍しくないかがよくわかる一例だ。
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