魂の重さは本当に21グラムか?死の瞬間を計測し続けた科学者のもうひとつの発見

 量子力学、多世界解釈、超ひも理論、ダークマター、etc……。現在の最先端のサイエンスが直面している問題は一般の文系人間(!?)にはまるで見当もつかない話ばかりだが、ある種の“超難題”に科学の名の下で挑む好奇心溢れる熱血漢はもちろん昔から少なからず存在している。今から100年以上も前に“魂の重さ”を計ろうとしたダンカン・マクドゥーガル博士もその一人だ。


■死後に失われる“21グラム”の正体をめぐって論争

 今をさかのぼること百年以上前、米・マサチューセッツ州の医師であったダンカン・マクドゥーガル博士は不可解な一連の実験を行なっていた。入院している瀕死の結核患者が横たわるベッドを当時の最新型の精密な秤で計量し、死の直後の体重の変化を調べたのだ。記録によればマクドゥーガル博士は6人の末期患者を計量し、死の瞬間に立会ったという。しかしいったい何の目的で、死の前後の体重の変化を調べたのか? それは死後に肉体を離れていく“魂の重さ”を割り出すためだったのだ。

魂の重さは本当に21グラムか?死の瞬間を計測し続けた科学者のもうひとつの発見の画像1「The New York Times」1907年3月11日版 画像は「Wikipedia」より

 もちろん遺体を死後そのままにしておけば僅かずつ乾燥していくため軽くなることは明白で、この実験でも確かに死後、時間が経つにつれて遺体は軽くなった。そこで博士は死後に失われる体液やガスも考慮に入れて入念に計算し、人間の“魂の重さ”は4分の3オンス、つまり“21グラム”であると結論づけたのである。ちなみに同じように15匹の犬を計測した実験も行なっており、犬の場合は人間と違って死後に“21グラム”が失われていないと結論づけられている。

 マクドゥーガル博士は1907年にこの研究を学術誌で発表したところ、米紙「The New York Times」がこれを大々的に取上げて、広く世に知られるところとなった。しかしこの研究発表はアカデミズムの世界では疑問視されており、外科医のアウグストス・クラーク博士とマクドゥーガル博士との間で書簡での討論が行なわれ、引き続き「The New York Times」の紙面で連載された。

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