一組の夫婦以外誰もいない村 ― 静寂の中で45年、たった2人だけの切なく美しい人生=スペイン
21世紀を迎えて15年たった今日、私たちの生活は常に目まぐるしく変化している。暮らしを便利にする製品があふれ「不自由」という言葉を忘れてしまいそうになる。そんな私たちとはまったく違う日常を送る夫妻について、10月22日付の「Oddity Central」が報じている。
■村が廃れて行く…住民と村を襲った悲劇!!
マーティン・コロマーさんと、シンフォローサさんのコロマー夫妻は、スペインの首都マドリードから約2時間程の距離にあるトレド県ラ・エストレージャ村に45年間、最後の住民として暮らしてきた。夫妻のほかにこの村で生きているのは3匹の犬と5羽の鶏と25匹の猫だ。最寄の町までは最低でも25kmもあるというのだから便利とは言い難い環境だろう。
他の人間との接触を絶ち、まるで地上に残された最後の人類のような夫妻の生活。彼らはなぜ、このような人生を選び、どうして村から人々が消えたのだろうか?
現在は静かなラ・エストレージャ村も以前は多くの住民で賑わい、教会や2つの学校、そして何軒かのバーやレストランなども存在していた。しかし複数の情報によると、1883年に村を襲った激しい嵐のため村の総人口の約半分が亡くなり、多くの家屋が全壊。亡くなった住民のために慰霊碑が建てられ、被害を受けずに残ったのは村の広場と教会、そして牧師用の官舎だけだったそうだ。以後、住民たちは家を捨て、村は衰退の一途を辿る。
さらに1936年から3年に渡って続いた内戦により、残りの住民たちも仕事と食料を求めて村を去ってしまったのだ。マーティンさんは「一時は15万を超える人が住んでいました。その中には教師、市長、警察や葬儀屋、司教と様々な専門の職人たちもいたのですが1~2年のうちにほとんどの人が村を去ってしまいました」と言う。
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