火事で顔が溶けた元消防士にイケメン選手の顔面を移植!
イギリスの「Daily Mail」紙のレポートによると、今年8月、自転車の事故で亡くなったデビット・ロードバラ氏の顔を、住宅火災の救助中に自分の顔を失った元消防士のパット・ハーディソン氏に移植するという、前代未聞の手術がニューヨーク大学メディカル・センターで行われた。成功する可能性は50%、失敗すれば死に直結という極めてリスクの高い手術によって、ハーディソン氏は、顔を取り戻すことができたのであろうか?
■“顔面喪失”から人生が暗転
命は助かったものの、自分の子供ででさえ恐れる異形の面持ちとなってしまったハーディソン氏に、イケメンのロードバラ氏の顔をそのまま移植する。ニューヨーク大学メディカル・センターのエデュアルド・ロドリゲス医師の率いるチームが行った手術とは、どんな手術だったのだろうか。
2001年9月5日、ミシシッピ州セントビアで起こった住宅火災の現場でのことである。消防士のハーディソン氏が、他の2人の消防士とともに、女性の救助ために火災現場に突入した際に運悪く天井の崩壊が起こった。炎の凄まじい熱のために。放水用のホースは融け、身に付けていた防火マスクも融け出してしまった。ハーディソン氏はマスクを顔から引きはがし、目を閉じ、呼吸を止め、なんとか現場から外に出ることに成功した。
同僚のコール氏証言によれば、ハーディソン氏の顔面はまるで炭のようで、顔一面から煙を出し、肉が融け落ちている状態であったという。医師によれば、ハーディソン氏が融け出したマスクを取り、目を閉じ、呼吸を止めたことが、彼の眼球を守り、熱風から気道と肺を守ったとのこと。
事故後63日間の入院中に、自分の太ももからの自家移植によって顔のうわべだけは取り繕うことができたが、耳、唇、鼻とまぶたのほとんどを失うことになってしまった。命をとりとめたものの、正常にモノを見る能力を失い、まるでゴムマスクを貼り付けたようなおぞましい顔つきとなってしまったのである。
家に戻ったものの、自分の3人の子供からさえも恐れられたその顔での生活は想像を絶するような精神的苦痛を伴うものであった。7年間に71回もの手術を受け、口と鼻を形成し、皮膚移植によってまぶたの形成を行ってきたが、精神的な鬱のスパイラルに落ち込むことも度々あり、事故後元妻との間に2人の子供を授かりはしたが、結局結婚は破綻してしまう。心機一転、タイヤショップの経営に乗り出すも、鎮痛剤への依存症のために失敗、破産となり、自宅までも奪われてしまう結果となってしまうことになる。
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